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加湿器を全教室に整備し、湿度管理を実現

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施設特集

教室の天井に設置された「てんまい加湿器」(巣鴨北中)

東京都・豊島区立巣鴨北中学校の新校舎

 学校施設の改修では高度化・高機能を図るほか、子どもの健康に配慮した室内環境の改善も重視されている。こうした中、豊島区立巣鴨北中学校は新校舎を建築するにあたり、空調機と併せて業務用加湿器をすべての教室(95台)に整備した。そこで、区教育委員会学校施設課の宇野貢彰課長に話を聞いた。

「学びの場」を第一に地域とのつながりも
 豊島区では小・中学校施設の老朽化が著しいことから、計画的かつ効率的な学校改築に着手している。19年8月に新校舎に生まれ変わった巣鴨北中学校は、「学びの場」を第一とした学校づくりとして、ICT環境や学習情報センターを整備するとともに、広い校庭や敷地内の緑化を推進。また、地域との交流を意識した安全性・利便性に配慮した建物配置や、防災機能の強化として災害用設備の充実を図っている。
 その中で、快適な室内環境に向けて普通教室や特別教室、職員室等に整備されたのが、ウエットマスター(株)の滴下浸透気化式加湿器「てんまい加湿器」だ。空調機の冷暖運転や風量変動に左右されず、教室全体をムラなく確実に加湿できるのに加え、加湿のための特別な熱源を必要としない省エネ効果もあり、新築・改修時に導入する学校が増えている。

給水や掃除が要らず、運用しやすい
 同校の教室に加湿器を整備した理由について宇野課長は、建築物衛生法等を踏まえ、延床面積8千平方mを超える学校には湿度の調節を含む空気調和設備の設置が求められていることを挙げる。その上で「新築であれば建物の構造部分と一体化して天井埋め込み式で設置できるため、美観を損なわないこと。加えて、家庭用の加湿器と違って毎日の給水や掃除の必要がなく、教員の負担軽減にもつながる利点があります」と話す。
 また、「操作がON・OFFと強・弱のみと簡単なので、教員が教室の状態を見ながら活用できること。また、静音性に優れているため、丸2年が経過しますが授業の邪魔になったという声も聞いたことがありません」と評価する。なお、衛生面では夏は水を抜くなど年2回のメンテナンスを実施しているという。

室内の乾燥が進む冬季の感染症対策に
 現代の建物は気密性が高い上、空調機の冷暖房によって湿度不足を招きやすい傾向にある。特に冬季は室内の乾燥がより一層進み、のどの粘膜の防御機能が低下することで感染症のリスクが高まるため、加湿によって室内湿度を50~60%に保つことが大切だ。しかも、新型コロナウイルスの感染予防に対しても、室内の加湿や換気が一定の効果があることが、理化学研究所が運用するスーパーコンピューター「富岳」によるシミュレーションで分かっている。
 その中で、宇野課長は「今年の冬はインフルエンザの再流行も懸念されています。加湿器が導入されていることで、より安心感が高まるのでは」。さらに、「室内の湿度を管理できる非常に有用な設備であると思っています。感染症対策も見据える中で、より効果的に活用してほしい」と期待した。

図書室の天井に設置された「てんまい加湿器」

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