日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

一刀両断 実践者の視点から【第179回】

NEWS

論説・コラム

元首相の襲撃と道徳

 元首相襲撃事件では、日本の安全性への信頼度が完全に崩壊したように思われた。ケネディ暗殺よりも無防備で、背後を警備していない御粗末さには驚いたというより、意図的にしたようにも感じられた。
 私の友人に細川総理のSP統括がいたが、今回の蛮行と警備体制をどのように評価するだろうか。
 また、事件直後の党首インタビューでは、言葉遣いに本意が現れていたように思われる。何故なら安倍氏を過去の人として、いい人だったと発言した者も居たからである。こうした不測の出来事への反応から本質がはっきりと見えて来るものである。民主主義の冒涜であり、主張があれば言論で行うものであり、暴力であってはならないと力説していたが、ならばそれをどこで、どのように、誰が教えるのか。
 「ならぬ事はならぬ」という道徳が普及浸透していない表れなのではないだろうか。
 高校でも道徳に関する授業が行われるようになったが、既に形骸化が始まっている。今回の事件をみても分かるように、犯人の人物像や銃器を作る知識や技術、そして、そうさせた環境などが今後明らかになるだろうが、失われた命は帰っては来ない。
 このような蛮行は、道徳を軽視し、大切とは言いながらも教育を軽視してきた結果のように感じられてならない。

 行動を促す感動道徳授業の出前授業致します。問合せ tookubo(アット)moralojy.jp
参照動画:https://youtu.be/PLOYM3saFyM?t=1

(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

論説・コラム

連載