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一刀両断 実践者の視点から【第195回】

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論説・コラム

議論の力を育てぬ主権者教育

 統一教会との事を聞かれると、私は関係ない、知らなかった、ととぼける議員がいて、実に見苦しい。それでやり過ごす事になると思えるのが、これまでの日本である。
 分からなければそれで済むし、詭弁を次々に展開する者だが、高学歴だったり、国を左右するような役を務めていた事が見て取れるから恐ろしい。
 こうした詭弁に知恵を貸している輩もおり、メディアも噛んで操作をされて来たのであり、今もその渦中にある事を認識したい。
 政治家は嘘を突き通して平然と眠れることが求められる資質の一つなのかも知れない。反面で、泥沼の中にあっても寸暇を惜しんで誠実に対応し続ける政治家もいる。この見極めをどこでどのようにするのか。
 青年が政治に関心を持ち正当に議論するようになられては困るという、国民はバカの方がいいというような意図を今の主権者教育の在り方に強く感じている。真っ当な論議の出来る教育とはなっていない。
 統一教会の名称変更で関わりを転嫁している人物がいるが、以前からその周りに関係者がウヨウヨしていた。私はそれを見てきたし、それを正当化して追い詰められないように応援会をあえて開催する組織利用も確認できている。
 そこには多少の悪があっても大きな国益の為にはこんな程度の事で失脚はさせられないという利益を得て今の立場を保っている者も居る。こうした構図はどこにでも存在するし、して来たのが現実である。
 こうした小悪を飲み込むときに必ず権力と情報操作が連携していく現実を今の若者にきちんと考えさせていけるような学びを誰がしているだろうか。そこで私は後期から人間力育成講座を開設し、道徳力や耐性力そして実践力を育成していきたい。現実起きている出来事を教材にして。その様子はサタモラで随時配信する予定である。ご期待ください。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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