学校健診でメンタルヘルスも 思春期の精神疾患予防で
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今後の学校健康診断の方策を議論する文科省の有識者会議は17日、医療関係者からのヒアリングを行った。オンラインを活用した事例の報告や、精神面も含めた学校健診の実施の提案などがあった。
ヒアリングに先立ち、会議委員の1人で日本学校保健会の弓倉整・専務理事は、学校医が置かれている状況を説明した。
それによると、診療所の医師の平均年齢は60代。医師の偏在化、学校医を務める内科や眼科、耳鼻咽喉科の医師の数が近年増えていないなどの背景もあり、学校医となる人材の確保が課題となっている。また、平成28年度に日本医師会が実施した調査では、学校医の約35%が「感謝されたことや、やりがいを感じたことがない」と回答していたという。
ヒアリングでは、メンタルヘルス対策についての事例発表があった。
三重県内で思春期の精神疾患予防策として実施されている「三重モデル」の事例では、三重県教委や教育研究者、医療研究者、自治体などが連携しながら進めている。
1人1台端末で児童・生徒がストレスチェックでき、必要に応じて連携医療機関につなぐ。また無料でのオンライン相談も可能だ。
思春期の不登校や自殺の予防として和歌山県など一部自治体で行われている「こころの学校健診」の事例の報告もあった。オンラインで行い、結果は保護者・学校も確認できる。回答に応じて地域の医療につなげるようにしている。
発表後の意見交換で委員からは、メンタルヘルスに関する学校現場での健康診断について、学校に過度な負担がかからないよう配慮を求める声も上がっていた。