図解でわかる 14歳からの自分を助ける心理学
14面記事
一般社団法人社会応援ネットワーク 著 小関 俊祐 監修
心と体整える手だても紹介
「相手の気持ちが分からない」「どうして自分はこんな気持ちになってしまうのだろう」
自分自身や人間関係の悩みなどにぶつかったときに「心理学を学びたい」と考える人は意外に多い。そしていざその一歩を踏み出そうとすると、その幅の広さに戸惑ってしまう。
本著は「図解でわかる」シリーズ新刊版。実際に中高生から寄せられた32の質問を基にQ&A形式で編集され、認知行動療法(CBT)やリラクセーションなどの心と身体を整える技術を使いながら実践できるように工夫されている。何より、「図解でわかる」というタイトル通り、イラストや図がふんだんに織り込まれ、感覚的にも理解しやすく、入門書として優れている。「心理学について知ろう」「心理学の理論を学ぼう」「心理学を役立てよう」「心理療法を実践しよう」の四つのPARTで構成され、どこからでも入ることができる。
例えば、Q「大切な試合に勝つために、強いメンタルがほしい」。トップアスリート以上に中高生のメンタルトレーニングは効果的である。Aでは高いパフォーマンスを保つ「自己効力感」の重要性を示し、それを生み出す五つの要因「達成経験」「代理経験」「言語的説得」「生理的情緒的高揚」「想像的体験」を図解する。
教室の後ろの棚の学級図書に平積みで置きたい書籍である。
(1760円 太田出版)
(青木 一・信州大学大学院特任教授)