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パラクライミング普及に努めたNPOが創立20周年

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 視覚障害がある人を主な対象として、突起を設けた壁などをよじ登るパラクライミングの普及に努めてきた特定非営利活動法人のモンキーマジック(東京・武蔵野市、小林幸一郎代表理事)が25日、創立20周年を迎えた。自分自身、視覚障害がある小林さんは長く選手を続けながら、視覚障害がある子どもがこのスポーツを体験する場を設けたり、各地の学校を訪ねて視覚障害について、児童・生徒向けに講演したりしてきた。
 高校時代にクライミングを始めた小林さんは28歳で、視覚を失う病気の診断を受ける。徐々に視力が落ちる中でもクライミングは続けた。視覚障害者も対象としたクライミングスクールを発足させ、平成17年8月にモンキーマジックを設立している。
 この間、「見えない壁だって、越えられる」という言葉を掲げて普及に努めてきた。クライミング施設がある視覚特別支援学校とも連携し、子どもたちにも、スポーツの素晴らしさを伝えてきた。
 24日には、都内で記念祝賀会があり、小林さんは「これまでやってきていることをより広い地域に、より広い世代の人たちに届け、社会を豊かにすることにつなげていく。クライミングは子どもでも大人でも、私たちのように障害があってもだれもが楽しめる」などとこれからの決意を語った。
 視覚障害や身体障害がある人たちを対象としたスポーツに「パラクライミング」がある。小林さんは、NPOを運営する傍ら、この選手として活躍してきた。2028年のパラリンピックで実施種目に加わることとなっている。

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