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オンライン教育で日本はどう変わるのか?

14面記事

書評

西岡 壱誠 著
脱・登校の学びを展望

 コロナ禍に東大生によるYouTubeを活用したオンライン授業を発信し、高校生に思考法や勉強法を教えるなどの事業を展開する教育ベンチャー企業代表となった著者が、オンライン教育の現状と将来の展望を語った。
 オンライン教育を取り入れる「通信制高校」(第2章)に光を当てているのも特徴だろう。
 通信制高校は独立校が143校(公立6校、私立137校)、併置校189校(公立76校、私立113校)など。学ぶ生徒は30万5221人(公立6万2009人、私立24万3212人)である(文科省「令和7年度学校基本調査」速報)。
 教育環境の変化によって通信制高校へのニーズは増しており、スクーリングのみ登校のタイプから、学習サポートがある通学タイプ、全日制に近い通学タイプとパターン分けし、全日制の普通科などと比較しながら、それぞれの教育の特徴について述べる。また、中学での「通信制」、大学でのオンライン教育にも言及した。
 その上で、「オンラインの学びのメリットとデメリット」(第3章)について解説する。
 「オンラインでの教育は日本の教育レベルを上げることになるのではないか」という著者の指摘は、オンライン教育の良さを肯定的に捉え、明解である。
 生徒のニーズ、学び方の変化などが、”登校”に依存する学校教育の見直しを求めているようにも映る。
(1375円 発行 星海社(星海社新書) 発売 講談社)
(矢)

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