崖に巨大なワニがいた メアリー・アニングの物語
14面記事
シーラ・コール作/赤藤由美子訳
主人公のメアリー・アニングは、19世紀にイギリスの西部ドーセット州のライム・リージスという海辺の町で生涯を過ごした実在の人物。
1812年、メアリーが13歳のときに、絶滅した海の生物・魚竜イクチオサウルスの全身骨格を世界で最初に発見した。
当時は、地質学も考古学もこれから始まろうとする黎明期、恐竜の存在さえ知られていなかった。科学者たちでさえ生物の「種」が進化した証拠を集め始めたばかり。女性は、科学者の世界から締め出されていた時代で、メアリーは労働者階級であったことから差別も受けていた。しかし、20世紀末、ようやく業績が見直されることになった。
化石発掘に人生をささげた少女の物語。
(2420円 一莖書房)
(Tel03・3962・1354)