AI議題に都知事が総合教育会議
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東京都は16日、本年度1回目の総合教育会議を開いた。小池百合子知事を交えて、AI時代に求められる資質・能力の育成をテーマに議論した。
都教委では、都立学校でリアルを組み合わせた学びや個別最適な学びを推進している。今年5月には全都立学校に児童・生徒や教員が日常的に利用できる生成AIサービス「都立AI」を導入。安心して学校で利用できるよう、入力内容はAIに学習されず、不適切なやり取りの防止のためのフィルタリングも整備した。
壁打ちで思考を深めたり、面接や小論文の練習に活用したりできる他、教員も成績所見の下書きなどに利用できる。各学校で生成AIを活用したメニューを作成することも可能で、有用なものは都立学校全校で共有しているという。
この日は2人が講演。株式会社LifePromptの遠藤聡志代表取締役は、AIにのまれずに、自分の考えをAIに伝えたり、AIが出力した内容の成否を判断したりする力や基礎的な思考力が必要だと指摘した。
「現状をより良くしたい」と考えることができるのはAIではなく人間だとして、問いを立てる力や現状を打破するエネルギーは、AIと共存するに当たって重要だとした。AIを過度に恐れずに使いながら慣れていくことの必要性も訴えた。
学校現場での情報教育支援を行うNPO法人みんなのコードの杉之原明子代表理事は、ただ使わせるだけでは児童・生徒にとって生成AIは自分ごととして捉えることはできないとして、「好き」「得意」と結びつけながら活用することを提案。子どもだけでなく、教員自らAIに親しむ姿勢が求められると話した。
小池知事は、AI時代には人間の力とAIを組み合わせる方法をどう教えていくかがポイントになるとして「学ぶ方も、教える方もAIを使いこなしていくということは必要不可欠だ」などと話した。


