30万人超え、不登校支援対策を強化 学びにアクセスできない子どもをゼロに
12面記事 文科省は、小・中・高等学校の不登校の児童生徒が急増し約30万人となった実態を受けて、誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校支援対策「COCOLOプラン」を打ち出している。不登校により学びにアクセスできない子どもたちをゼロにすることを目指し、行政だけでなく、学校、地域社会、家庭、NPO、フリースクール関係者などが、相互に理解や連携をしながら、子どもたちのためにそれぞれの持ち場で取り組みを進めることを強化していく。
具体な施策の一つが、「不登校特例校」や「校内教育支援センター」の設置をより促進することと、不登校の児童生徒および保護者を支援する機関「教育支援センター」の機能を強化することだ。ここでは、民間のノウハウを取り入れた不登校の児童生徒への支援が行えるよう、業務委託や人事交流を通して、フリースクールなどとの連携を強化する意向だ。
不登校となる前に、「チーム学校」による支援を行い、未然に防いでいくことも重要になるため、1人1台端末を活用して心や体調の変化を「見取る」仕組みづくりにも注力していく。
快適で温かみのある学校施設に変える
学校施設自体も、子どもたちが心地よい空間の中で学習・生活を行えるよう、快適で温かみのある環境にしていく。その中では、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学ぶための環境整備と併せて、一人一人の教育的ニーズに応じた学びの場を整備するとともに、担任だけでなく学校全体で支えられるようにする。また、外国人の子ども等が自らの「長所・強み」を活用し可能性を発揮できるよう、多様性を尊重しつつ、共に学び合える環境を整備していくことを挙げた。
その上で、こうした取り組みの実効性を高めるために、専門的知見とエビデンスに基づき、ケースに応じた支援の在り方を確立する。教員の働き方改革を進めて、教員が子どもに接する時間を確保することが大事になるとしている。