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教員研修で大学院授業 免許状の修士レベル化促す 中教審が中間まとめ

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 中央教育審議会の教員養成部会のワーキンググループは5日、教職課程と教員免許制度の見直しに向けた中間まとめを示した。大学院の授業を教員研修と結び付けることで、教員が保有する免許状を修士レベルに引き上げる仕組みを導入する。

 教員の資質能力の向上を目指し、修士レベル化を進める。10年経験者を対象にした研修に教職大学院などの授業を組み込み、一定の経験年数を持つ教員が少ない単位で修士レベルの免許に移れるようにする。例として勤務実績が良好な場合、4~6単位で取得できることを示した。
 また心理や特別支援教育など特定の分野の科目を続けて履修した場合、免許状に専門分野を書き加えられる仕組みを導入することとした。教員の強みを外から見て分かる形にし、校内で専門性を発揮しやすくする。
 教職課程の見直しも図る。従来のように細かい科目を積み上げる方式ではなく、指導・生徒理解と教科指導の2本柱で構造化する。教員養成フラッグシップ大学の取り組みも踏まえ、共通で学ぶ内容に「教師としての適応力や自己管理能力の育成」「多様性の包摂」「教育データの活用と人工知能」を追加する。一方、学生が得意分野を伸ばせる科目も設ける。教科の深い理解や児童心理学、特別支援教育、AI・データサイエンス、日本語指導などの項目を挙げた。
 教育実習は、単位数は今と変えないが、大学入学後の早い時期から現場に入る「学校体験」と、特別支援学校(学級)での実習も位置付ける。デジタルやCBT(コンピュータ型テスト)を使った事前事後学習の充実も図ることとした。
 この日のWGには教員採用選考の一次試験の共通実施について自治体による協議会の検討状況も報告された。導入を目指す令和9年度の実施日程について5月8日、6月12日、7月10日の三つとする案が示された。

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