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小中高をシームレスにつなぐ ストレスマネジメント教育プログラム

13面記事

書評

杉山 智風・小関 俊祐 著
授業の流れなど具体的に提示

 「ストレスを個人にとって最適な状態にするための介入方法は『ストレスマネジメント』と呼ばれ、このストレスの対処方法を子どもに限らず、教えたり理解させたりすることを『ストレスマネジメント教育』」と呼んで、本書では学校への導入を提唱する。ストレスを忌避対象とするのではなく、時にパフォーマンスを高める源になるともいわれるストレスとの上手な付き合い方の提示である。
 具体的には、本書の大半を占める小学校低・中・高学年、中学校、高校を対象に、「こころの仕組みを知ろう」「『ちょいウキ』を見つけよう!」「上手な気持ちの伝え方」などのテーマを設定した15のプログラムを網羅した「ストレスマネジメント教育プログラム」がそれだ。各プログラムの時間配分、使用するスライドとその教示例、指導上の留意点と、授業の流れを明示した。授業で使うスライド、ワークシート、振り返り感想シートは出版元のホームページからダウンロードできる。
 いじめや不登校、学力問題などに起因するストレスにさらされる子どもたちに、リラクセーション、ソーシャルスキルトレーニング、アンガーマネジメントなどの方法を用いてアプローチするプログラムは有用だろう。
 本来であれば、小中高と途切れなくプログラムの実施が理想だろうが、カリキュラム・マネジメントを生かしながら、学校独自に組み立てる際の参考にもなる。
(3080円 金子書房)
(矢)

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