日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

教科書を網羅しない授業をつくる

23面記事

書評

宗實 直樹 著
子どもと共に学ぶ活用法

 「教科書を教えるのではなく、教科書で教える」は、古くて新しい課題の一つ。加えて、分厚くなった教科書の内容を全て教えなければならないという教員間の”空気”がある。これらを解決する手だてを示した。
 強調するのは「精選」と「焦点化」であり教科書を「子どもたちと共に『読み直し』『読み替え』『つくりなおす』実践」を提案する。主たる教材である「教科書」の使い方を著者なりの教材分析、教材研究、活用方法として示すことで課題解決の方途を具現化した。
 序章~第2章では中央教育審議会の論点整理など今後の方向性に触れつつ、教科書活用力の重要性、教科書を全て教えるという発想が芽生えてしまう要因などを指摘し、教科書を「拠点教材」として生かす方法などを解説。「教科書活用の原則と技術」を教師編(第3章)、子ども編(第4章)に分けて、それぞれのポイントを掲示した。
 具体的な授業づくりに関しては、教職経験別に「授業設計」の仕方(第5章)、小学校社会科を主にした教科書で「子どもが学ぶ」際の要諦(第6章)、子どもと学んだ実践内容(第8章)で構成し、教師にとっては分かりやすい。教師用指導書との向き合い方(第7章)、教科書研究の系譜と論点整理を「付録」として巻末に置き、本書を補完する。
 教え方から学び方まで取り込む、懇切丁寧な現代の教科書にどう向き合うか、一石を投じている。
(2200円 東洋館出版社)
(矢)

書評

連載