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校内に無人決済店舗をオープン~生徒の学校生活を支える新たなインフラとして期待~

19面記事

施設特集

校内に設置された無人店舗で買い物する生徒たち

大妻中野中学校・高等学校

 大妻中野中学校・高等学校(諸橋隆男学校長・東京都中野区)は、昨年11月末、スーパーマーケット・ベルクが展開する無人店舗「Belc Go!大妻中野店」を校内にオープンした。店舗には、(株)タッチトゥーゴー(以下、TTG)が提供する無人決済システム「TTG―SENSE」を採用し、生徒の日常的な購買行動を大きく変える校内インフラとして注目されている。

新しい「学校×企業」連携モデル

商品スキャンは不要 生徒は表示された商品を確認して交通系カードで支払う

 学食のない同校にとって、生徒の昼食確保は保護者の弁当作りやコンビニ利用に依存せざるを得ず、学校生活を支える上で大きな課題となっていた。保護者にとっても、校内で食事を購入できることで弁当作りの負担が軽減され、特に共働き家庭には安心材料となる。今回の取り組みは、こうした学校現場のニーズに外部企業が応える形で実現した、新しい「学校×企業」連携モデルといえる。
 最大の特徴となる複数のカメラと重量センサーを利用する無人決済システム「TTG―SENSE」は、レジの前に立つだけで商品スキャンは不要。生徒は交通系ICカードでスムーズに決済できるため、昼休みの混雑解消に寄与する。限られた校内スペースでも設置可能である点が学校導入に適しており、同校の実情に合わせた小規模店舗の運用を可能にした。
 商品は最寄りの練馬高松店からピッキングし、TTGの協力会社を通じて1日1回、朝に配送・陳列。生徒が利用しやすいよう、商品は通常のベルク店舗と同じ価格で提供する。実際に商品棚を覗くと、弁当やサラダ、デザートなど学校生活のリズムに合った品揃えとなっており、今後は生徒や学校側の意見を柔軟に取り入れながら、柔軟に更新していく予定だ。

ライフプランニングや金銭教育としても活用

 今回、学校側は食の確保という機能面だけでなく、教育的価値を重視している。生徒自身が無人店舗を適切に利用することで、モラルやマナー、買い物における主体性を育むことが期待される。また、電子マネーの利用は金銭感覚が鈍る懸念もあるため、社会科や家庭科、総合学習での金銭教育と関連づけて指導していく意向だ。すなわち、生徒が自らの消費行動を見直し、価値判断力を身につける機会にもなると捉えているのだ。
 さらに、利用者は生徒だけでなく、教員や保護者、入試で訪れる受験生も対象としている。教職員にとっても利便性が高く、限られた昼休みに効率よく食事を確保できる環境は働き方改革の一助となる。
 このように、今回の三者協業は学校の抱える日常的な課題に対して、外部専門企業が技術とノウハウを持ち寄り解決する好例である。特に学校側が強調するのは、「校内だけでは思いつかないソリューションが得られた」という点だ。購買機能の確保、教育価値の付与、生徒と保護者の安心感、教員の働きやすさ、これら複数の要素を同時に満たすことは、学校単独では困難であった。
 同校は、今後も生徒会と連携しながら商品の改善を図り、学校全体で店舗運営を育てていく姿勢である。今回の無人決済店舗は、単なる「購買の代替」ではなく、学校が社会とつながり、生徒の学びを広げる新しい教育資源として機能し始めている。

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