ケース別でわかりやすい! 保護者に安心を手渡す言葉かけ
14面記事
西木 めい 著
困窮している教職員にピタリ
東京都教育委員会は、高圧的な保護者らによる過度な要求への対策として、教員向けの対応ガイドラインを公表した。その中で教職員が対応力を高めていくことの必要性も明記された。そのタイミングでの本書の発刊は、実際、困窮している教職員のニーズにピタリ当てはまるものであると確信する。
著者は小学校の通常学級、特別支援学校の担任を経て、現在、小・中学校のスクールカウンセラーとして活躍しており、理論と実践に裏付けられたメッセージを本書で分かりやすく述べている。
本書は3章構成で、第1章では、保護者対応を前に教師が知っておきたい心構えをまとめている。保護者との信頼関係を築く五つのキーフレーズや、「怒りは二次感情」であり、保護者の怒りの心の奥底の願いや思いを推察することが鍵となると述べている。そして、身近に感じてもらえる関係、壁を感じさせない関係、気軽に声を掛け合える関係―づくりに努めることを勧めている。第2章は、四つのカテゴリーの20の悩ましい事例に対して、六つの保護者の思考パターンに即応した具体的な関わり方が示されている。そして第3章では、保護者と教師の連携を図るために、保護者に知ってほしい教師の本音や成功事例がまとめられ、読み手に「納得感と実践意欲」を促す価値ある一冊である。
(2420円 学事出版)
(中川 修一・前東京都板橋区教育委員会教育長)

