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第12回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校決定

7面記事

企画特集

最優秀賞を受賞した「ライフプランシート」(左=中・低学年の部 稲田さん)(右=高学年の部 平下さん)

 特定非営利活動法人=NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(略称=日本FP協会)が主催する、第12回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」(共催=日本教育新聞社、後援=文部科学省、金融庁、全国都道府県教育委員会連合会ほか)の入賞作品がこのほど決まった。全国から寄せられた作品総数は2469作品(学校応募58校)で、厳正な第1次選考(280作品)、第2次選考(各部門21作品ずつ)を経て、個人賞として中・低学年部門と高学年部門にそれぞれ最優秀賞1名、優秀賞5名、奨励賞10名、学校賞として最優秀学校賞1校と優秀学校賞5校が選ばれた。両部門の最優秀賞受賞作品全文とその「ライフプランシート」を掲載する。

個人賞
中・低学年の部 最優秀賞
聴いている人が幸せになれるようなピアニストになりたい
稲田 つづる 長野県安曇野市立三郷小学校4年

 私がピアノを習い始めたのは、四才の時でした。三年生の時、ピアノコンクールでハンガリーに行かせてもらいました。国際コンクールは初めてで、リスト音楽院の先生方や、私と同じくらいのハンガリーの子に出会いました。また、ブダペストにいる間、練習をさせてもらった音楽小学校はスタジオごとにちがったピアノがあり、毎日そこに行く度に今日はどんなピアノなんだろうと楽しみでした。コンクールの演奏が終わった時、気持ちの良い達成感がわいてきて、お客さんの笑顔と拍手がとてもうれしかったです。入賞者コンサートは作曲家の記念館で行なわれ、私も参加しました。そこでもさらに温かい拍手をもらい、三回のお礼に出ました。音楽の力で人を幸せに出来るんだと強く思いました。このハンガリーでの経験で私はピアニストになる夢を持ちました。
 四年生になり、私はいろんな人に演奏を聴いてもらうためにコンサート、コンクール、ボランティアに積極的に参加しています。人に喜んでもらうには基本練習はもちろん、イメージや歌うこと、そしてそれをどれだけお客さんに伝えられるかが大切です。私は毎日努力していますが、集中力が続かず、楽譜と上手く向き合えない時もあります。
 世界の名ピアニストや室内楽など様々なコンサートを聴いてサインも集めています。質問に答えてくれたり、あく手をしてくれる人もいます。音楽にはひく人の優しさが表れると思うので、私も人として成長したいです。
 この先ヨーロッパに留学してクラッシック音楽と歴史、言語を学びたいです。しょう学金がもらえるように努力したいです。
 そして、音楽の力で悲しんでいる人が幸せになれるようなピアニストになり、世界中で演奏したいです。

個人賞
高学年の部 最優秀賞
夢のマインドマップ
平下 えみり 東京都筑波大学附属小学校5年

 私が初めて自分の夢を持ったのは、小学四年生の頃だった。小学校の卒業生である團遥香さんが、全校生徒の前で講演してくれたのが夢のきっかけである。團さんの子供の頃の夢は大人になったらテレビに出る仕事に就くことで、現在は女優・タレントとして活躍している。朝の番組で見かける彼女は、楽しそうだが、早起きや発音練習など、陰の努力を欠かさないことも分かった。そんな彼女を見て、私もテレビで活躍する仕事を目指したいと思うようになった。
 そのような視点でテレビを見るようになってから、気象予報士が目に留まった。NHKスタジオパークでお天気キャスターの体験をした時、緊張の中にも達成感を感じた。それで、気象予報士の資格について調べたところ、合格率が約五パーセントと低いこと、年齢・性別・学歴に制限がなく誰でも受験できることが分かった。最年少合格者は小学六年生の本田まりあさんで、勉強を始めて二年で合格したそうだ。大学の一般教養レベルの物理・数学の基礎知識が必要な試験にも関わらず、小学生で合格者が出たことを知り、私も今から勉強を始めて挑戦してみたいと思った。
 次に、気象予報士になるための大学を調べたところ、気象大学校を見つけた。気象大学校では気象関連の専門知識を広く学ぶことができるだけでなく、入学すると公務員として扱われるための給与が支給され、授業料・入学金・寮費も一切無料である。卒業後は気象台などに配属されるため、就職活動の必要もない。ただ、採用数がとても少ないことが分かった。 
 今、地球温暖化の影響からか、異常気象が世界各地で多発している。このような状況の中、正確な気象予測を行い、皆さんに災害情報を伝えることは、人命を守ることにもつながり、とても重要でやりがいのある仕事だと思う。
 eco実験パフォーマーのらんま先生は、文系の大学を卒業したが、自分の興味のある科学を独学で勉強して、今の仕事を見つけたそうだ。今回ライフプランを考えてみて、一つの山に登る方法は一つではないことに気づいた。気象予測の仕事に就くには、気象大学校以外の大学を出て、気象予報士の資格を取り就職する方法もある。
 もう一つ、らんま先生の言葉だが、日本語がしゃべれると一億人の友達ができるが、英語がしゃべれると四十億人の友達ができる。
 気象大学校の一次試験では、数学・物理・英語・作文が行われる。私は算数と英語は得意ではないが、将来世界の人と仕事ができるように、頑張って勉強しようと思う。

第12回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校一覧

【個人賞】―中・低学年の部―(50音順・敬称略)

・最優秀賞(1点)
 稲田 つづる(長野・安曇野市立三郷小学校4年)「聴いている人が幸せになれるようなピアニストになりたい」

・優秀賞(5点)
 小林 廉太郎(東京・筑波大学附属小学校3年)「夢に向かって」
 福山 遥(東京・筑波大学附属小学校4年)「私の未来」
 北條 和輝(徳島・徳島文理小学校4年)「夢に向かって「出発進行!!」」
 山口 心愛(徳島・徳島文理小学校4年)「みんなを笑顔に」
 渡邉 史子(東京・筑波大学附属小学校4年)「スイング・バイ・ミー」

・奨励賞(10点)
 押見 圭都(新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校3年)「助産師に向かって一歩一歩」
 岸田 司颯(千葉・市川市立鶴指小学校3年)「ぼくの将来」
 古賀 日南子(大韓民国・ソウル日本人学校小学部3年)「伝える力や思いを持つ先生に」
 曽山 真歩(鹿児島・鹿児島市立西谷山小学校3年)「すてきな女いをめざして」
 橋本 恵人(東京・筑波大学附属小学校4年)「将来の夢に向かって」
 藤岡 舞衣(東京・筑波大学附属小学校4年)「私の将来の夢」
 前田 桜来(茨城・江戸川学園取手小学校4年)「絶対かなえたい私の夢」
 丸田 穂佳(東京・筑波大学附属小学校3年)「私の将来の夢」
 村井 煌佳(東京・筑波大学附属小学校3年)「私の将来の夢」
 矢部 泰旺(東京・筑波大学附属小学校4年)「ぼくの未来」

【個人賞】―高学年の部―(50音順・敬称略)

・最優秀賞(1点)
 平下 えみり(東京・筑波大学附属小学校5年)「夢のマインドマップ」

・優秀賞(5点)
 芦ヶ原 智之(東京・筑波大学附属小学校5年)「僕の夢」
 植木 涼太(埼玉・蓮田市立黒浜南小学校5年)「ぼくは夢を見続ける」
 諏訪 由季(東京・筑波大学附属小学校5年)「人の心を豊に出来るバレエ振付家に」
 三井 星奈(埼玉・星野学園小学校6年)「将来の自分」
 山田 ちひろ(東京・世田谷区立塚戸小学校5年)「子どもたちを笑顔にできる保育士になるために」

・奨励賞(10点)
 小川 泰地(東京・世田谷区立塚戸小学校5年)「プロになるためのライフプラン」
 川島 匡乃(神奈川・海老名市立東柏ケ谷小学校6年)「「大使」への夢」
 河田 彩芭(新潟・新潟市立鳥屋野小学校6年)「人々を笑顔にする仕事」
 小賊 優一郎(鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校6年)「夢を目指して」
 白方 伶亜(鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校6年)「命をあずかる責任」
 田中 沙和(神奈川・海老名市立東柏ケ谷小学校6年)「将来のなりたい自分」
 中川 珠希(千葉・船橋市立薬円台小学校6年)「困っている子供達のためになる仕事」
 藤谷 音羽(神奈川・海老名市立東柏ケ谷小学校6年)「人を笑顔にする魔法使い達」
 堀 柚葉(山形・酒田市立八幡小学校6年)「笑顔を取り戻すために」
 宮田 うらら(埼玉・星野学園小学校6年)「子どもたちに楽しい毎日を」

【学校賞】

・最優秀学校賞(1点)
 東京・筑波大学附属小学校

・優秀学校賞(5点)
 東京・世田谷区立塚戸小学校
 神奈川・海老名市立東柏ケ谷小学校
 徳島・徳島文理小学校
 広島・銀河学院ぎんがの郷小学校
 鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校

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