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平時から災害までを視野に、市内19カ所に公衆Wi―Fiを導入

9面記事

企画特集

バッファロー無線LAN導入事例
鹿児島県鹿屋市

 鹿屋市は平成29年度に総務省の「公衆無線LAN環境整備支援事業」を活用し、市内19カ所にバッファローの無線LANによる公衆Wi―Fiを導入した。フリースポット導入キット「FS-R600DHP」と、Wi―Fiアクセスポイント「WAPM-2133TR」「WAPM-1266R」「WAPM-1266WDPR」を採用することによって、当初予算の約2分の1の価格で公衆Wi―Fi導入を実現。平常時は無料で利用でき、災害発生時にはパスワード不要で利用できる公衆Wi―Fiとして、市民サービスの向上に役立てている。

総務省指定の要件を低価格で実現
 公衆Wi―Fi導入のきっかけは、成人後の人口流出に歯止めをかけるため、中西市長がより魅力のある街づくりを進めようと、青年団や高校生などから直接意見を聞く「“本気”で語ろう会」を開催。そこで、公共施設でWi―Fiを使えるようにしてほしいという意見があり、平成28年度に主要6施設に公衆Wi―Fiを設置した。
 しかし、これだけでは防災Wi―Fiとしては不十分なため、総務省の「公衆無線LAN環境整備支援事業」を活用し、さらに19の施設に公衆Wi―Fiを設置する計画を進めた。「バッファローの製品は総務省が指定したWi―Fiアクセスポイントの要件を満たした上で、大幅なコストダウンが図れること。ネットワーク管理ソフトウェア『WLS-ADT』で集中管理が行える点、災害時などにパスワードなしで利用できる緊急時モードにも対応している点も、防災Wi―Fiとして理想的でした」と市総務部 情報行政課の井上泰二氏は話す。

追加設置の要望に応え、さらなる拡充を検討
 導入後は、公共施設で高校生がWi―Fiを利用する姿が見られるようになるなど、公衆Wi―Fiの存在が市民に少しずつ認知され始めている。「民間でも公衆Wi―Fiを備えた施設・店舗が増えていますので、相乗効果で利用者は増えていくと思います。これまで対象から漏れた施設に追加設置してほしいという意見も届いており、今後はそういった市民の声に応えながら、公衆Wi―Fiの拡充を進めていきたいと考えています」と同課の中尾明徳課長。
 一方、鹿屋市では近隣の自治体との連携も視野に入れながら、公衆Wi―Fiのより有効な活用方法を模索している。「公衆Wi―Fiについては各自治体が独自に事業を進めてきましたが、これを統一していく方向で検討を進めています。SSIDと認証方法を統一すれば、一度認証するだけでどの地域でもシームレスに公衆Wi―Fiが利用できるようになり、市民・町民、観光客にとっても大変便利になります」と中尾課長。今後は観光やPRなど公衆Wi―Fiの新たな活用方法を模索しながら、様々な分野にICTを活用し、市民サービスの向上と地域の課題解決につなげていく意向だ。

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