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意見が飛び交う!体験から学べる!道徳あそび101

18面記事

書評

三好 真史 著
話し合いや役割演技を組み込み

 令和時代が始まった。軌を一にしたように新教育課程も目前に迫っている。学校現場はその準備で大わらわだ。もちろん、その要は「特別の教科道徳」であろう。そんな折、格好の参考書が出た。本書である。
 本書の著者は小学校教員の傍ら、メンタル心理カウンセラーとしても活躍し、地域の教育サークルを主宰している方でもある。それだけに子どもの感情、心理に精通し、日常の指導体験も踏まえて従来の副読本中心の「読む道徳」からの脱却を目指したという。
 本書のポイントは、体験活動、話し合い活動、役割演技を「あそび」に組み込んだことだ。本書では、それらをモラルスキル学習、モラルジレンマ学習等と称し、その扱いについて丁寧な解説がつく。
 そして、書名の通り101の事例を道徳のねらいである徳目に合わせて紹介している。
 この紹介の仕方が本書の真骨頂であろうか。1ページに1題材、劇の台本よろしく会話体でやりとりを提示する。しかも、吹き出し付きのイラストが添えられている。観ただけで、「あそび」の中身が分かる仕組みだ。下欄には発達段階や学級の実態に合わせやすくするためのADVICEもある。
 要はすぐにでもマネできるのだ。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」だそうだ。この際、大いにまねてほしい。きっと新しい学びの姿が感じられるはずだ。
(2052円 学陽書房)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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