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「体験の風をおこそう」運動の推進

関東版

論説・コラム

松村 純子 国立赤城青少年交流の家所長

 「体験の風をおこそう」運動とは、近年社会が便利になる中で、子供たちの自然体験・社会体験・生活体験などの体験が減少している状況を踏まえ、子供たちの健やかな成長にとって体験がいかに重要であるかを広く家庭や社会に伝え、様々な体験の機会や場の拡充など体験活動の推進について社会的気運の醸成を図る運動です。
 国立青少年教育振興機構では、青少年の健全育成に関わる様々な団体と連携し、「体験の風をおこそう運動」を平成22年度に開始し、今年で10周年を迎えます。
 体験の風をおこそう運動推進委員会では、毎月10月を「体験の風をおこそう運動推進月間」と定めています。この趣旨に賛同したイベントが全国各地で実施されています。
 また「体験の風をおこそう運動推進月間」に行われた事業を登録することで、全国に体験活動を展開する気運を高める取り組みを行っています。平成29年度までの登録期間は9月~11月の事業でしたが、平成30年度から登録期間が7月~1月に延長されました。

 群馬県では、平成28年度から国立赤城青少年交流の家(以下、国立赤城交流の家)が中心となり、群馬県青少年施設協議会加盟施設等と連携し、「群馬県からっ風『体験の風をおこそう』運動実行委員会」を組織し、本運動を推進してきました。
 自然豊かな北関東に位置する群馬県は、全県で沢山の体験活動を実施しています。しかし実行委員会発足前の平成27年度の登録件数は5でした。委員会発足後の平成28年度は14。平成29年度は41。新たに事業を展開して欲しいとお願いしているのではなく、現在各団体で実施している事業を登録してくださいとお願いし続けてきた結果、平成30年度は61(140)。令和元年度は81(158)と増加しました。注1)
 現在、趣旨に賛同された県内の18団体と連携しています。発足時は12団体だったので、6団体も増加していることは嬉しいことです。
 平成30年度から、実行委員会の団体が群馬県内で実施する体験活動を1枚のカレンダーにまとめ、配布する普及啓発活動を行っています。

 国立青少年教育施設が設置されているのは、47都道府県のうち26都道県です。全国の登録数を見ても国立青少年教育施設が設置されている道・県が多いです。
 しかし、全国には秋田県のように教育委員会が事務局となり、「体験の風をおこそう」運動推進委員会を設置しているところもあります。
 関東には、群馬県と東京都にしか国立青少年教育施設がありません。本運動が関東に広がるためには、普及啓発活動が行う必要があります。近隣の県にも本運動を周知する機会と趣旨に賛同していただけるように説明することが重要と思い、令和元年度に国立赤城交流の家で栃木県・茨城県・埼玉県の各教育委員会の方に本運動の説明会を実施しました。
 今後も県内だけでなく、本運動の趣旨を関東の各県に伝えるための普及啓発活動を行っていきたいと思います。

 注1)7月~1月の登録は( )で記載

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