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文科省、新型肺炎で感染者ゼロでも休校検討

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文部科学省

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、文科省は2月25日、感染者がいない学校も含め、積極的な臨時休業を検討することなどを求める事務連絡を全国の都道府県教育委員会などに出した。臨時休業によって授業時数が標準時数を下回っても省令(学校教育法施行規則)違反とはならないことを記載した。

 文書では、児童・生徒が感染した場合、速やかに学校を臨時休業し、発熱・咳などの症状が出ていない状態で登校していた場合には、個別の事例ごとに都道府県で判断することとした。
 また、感染者に濃厚接触したことが分かった児童・生徒は、出席停止措置をとることを明記。期間は、接触日から「2週間」とする基準を示した。こうした症状で休んだ児童・生徒は指導要録上、欠席扱いにはせず、「出席停止・忌引」などとして記録できるとした。
 感染者がいない学校も含めた積極的な臨時休業については、学年末の休業日を弾力的に設定することを例に挙げた。肺炎などの呼吸器感染症にかかりやすい児童・生徒への対応は主治医や学校医への丁寧な説明を求めている。
 教職員の対策についても言及した。教職員を休ませた場合、代わりに授業を持つ教員の確保に努めることとしたが、難しい時には当面自習扱いにしても問題ないとした。臨時の教員配置に必要な財源は国が支援することも明記している。
 文科省は同日、卒業式・入学式の開催についての考え方も示した。「一律の自粛措置を行うものではない」としながら、感染が発生している地域では、学校設置者が実施方法の変更や延期を含めて対応を検討するよう依頼。実施する場合にもアルコール消毒液の設置やこまめな換気などの感染拡大防止措置を取るよう求めた。
 文書について、全国連合小学校長会の喜名朝博会長(東京都江東区立明治小学校校長)は日本教育新聞社の取材に、休校判断は隣り合った自治体間でもずれが出てくる恐れがある、として「できるだけ広い範囲で足並みをそろえてほしい」と求める。また学校の対応では、休校に備え、学習保証の体制を整えておくことが必要だと指摘した。

 これまでに児童・生徒や学校関係者から感染者が出た自治体では対応を急いだ。2月27日までの動きでは、熊本市は文科省の判断に先立ち、学校・園への出席停止や臨時休校の措置、学校行事の実施方法を通知。出席停止の目安として児童・生徒に37・5度以上の発熱や倦怠感などが見られる場合とし、症状が軽度でも保護者の判断で出席停止できることとした。
 東京都は26日、都立学校に対し、時間差通学や春休みの前倒しを呼び掛けた。始業時間を1時間半程度遅らせ、授業時間を短縮することや学年末試験の終了後、自宅学習に切り替えることを求めている。
 東京に続き、感染者が拡大した北海道でも26日、道内の全公立学校を2月27日から3月4日まで一斉休校するよう市町村教委に要請した。27日までに札幌市や函館市などが休校を決めた。
 卒業式や入学式の参加者を制限したり、規模を縮小して実施したりする動きも広まった。
 全校で体育館に集まることを避け、

 ・修了式や離任式などは校内放送で実施する
 ・卒業式は児童・生徒と保護者のみで行い、来賓や在校生の参加は認めない
 ・地域の人に学校行事の案内をしない

 ―などと変更する自治体が相次いだ。
 神奈川県は県立高校の卒業式を保護者・生徒と来賓に限定した。名古屋市では25日、卒業式での感染症対策を校長宛てに連絡し、式の簡略化や衛生対策を徹底するよう求めた。
 生徒の感染が確認された金沢市の公立中学校では23日、同市の施設で保護者を対象に説明会を実施した。239人が参加し、休校中の期末テストに向けた自宅学習用プリントの郵送や補習などについての説明を受けた。同校は2月25日から3月5日まで臨時休校している。

文部科学省

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