日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

保護者との連絡、ペーパーレスに 文部科学省が見直しを求める

1面記事

文部科学省

 文科省は20日、これまで学校が保護者に求めてきた書面による押印の手続き見直しに関する通知を都道府県と政令指定都市の教育長などに宛てて送った。それに伴い、連絡手段については、メール配信などのデジタル化を進めるよう依頼した。菅内閣が進める行政のデジタル化の一環で、保護者の負担軽減や学校の業務効率化につながると期待している。
 保護者の押印は、行事への申し込みやアレルギーの確認など、学校のさまざまな書面で利用されている。ただ、慣習で求めている場合が多く、認印があっても保護者が押したものであることを証明することにはならないとされる。
 そのため、通知では保護者による押印の法的効果は「限定的」だと指摘。教育委員会規則などで定めている場合は見直すよう依頼した。また、学校運営への影響が大きい問題だけに、依頼が確実に学校に行き届くよう教育委員会に要請した。
 押印の省略に伴い、学校からの配布物や連絡手段のデジタル化も求めた。通知ではメールサービスや無償のアンケート作成ソフトの利用方法も紹介し、活用することを訴えた。
 一方で、こうしたデジタル環境への対応が難しい家庭には書面による手続きを続けるなどの配慮も求めている。同日の定例会見で萩生田光一文科相は「デジタル環境にない保護者に新たな負担を求めるものではない。連絡帳やメモで今まで通り連絡を取ってもらうこともしっかり残していただきたい」と話した。
 東京都内の小学校校長は「押印の廃止はぜひ進めたい。学校の責任が問われるのは管理体制や指導体制で、保護者印の有無で学校に責任を問われたことはない」。配布物のデジタル化についても「印刷費や郵送費の節約になる」と歓迎する。

文部科学省

連載