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「博報賞」決定 山形・酒田市立琢成小など受賞

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 「ことば」を根幹として、教育支援などに取り組む(公財)博報堂教育財団(戸田裕一理事長)は10月12日、第51回「博報賞」の受賞者を発表した。このうち、公立小・中学校は、計4校が受賞。思考力・表現力を養う取り組み、地域と連携して郷土愛を高める教育実践などが評価された。

 「国語教育」で受賞した山形県酒田市立琢成小学校は、「書くこと」を通じて、思考力・表現力を養う授業を展開してきた。はがきサイズの用紙を用いた新聞作りでは、思考力・表現力の育成を目指すなどした。

 滋賀県日野町立桜谷小学校は、「日本文化・ふるさと共創教育」で受賞。学校だけでは手入れが行き届かなかった裏山を整備してもらったことがきっかけとなり、学校応援ボランティアとして「HOTけん桜谷隊」が発足。地域と連携した授業が教育課程に位置付けた活動として実践できている。
 体験学習では、講師探し、日程調整などにも関わる。年間約400人のボランティアが参加する。学校・児童にとって大切な存在となっている。

 京都市立朱雀中学校は、「特別支援教育」に関する活動で受賞。視覚障害のため、特別支援学校に通っていた児童が同中学校に進学し、全ての教員が受け入れ体制を整えた。同中学校の生徒は視覚障害について学びながら、支援学校出身の生徒と交流を深めた。
 当初は、「何でもやってあげよう」と気を使っていたが、本音を言い合える対等な関係に変化したという。
 全生徒・教員が障害への理解を深める活動に取り組み、視覚障害の見え方を体験、視覚障害の大変さを共有するなどしている。

 兵庫県姫路市立白鷺小中学校は、「日本文化・ふるさと共創教育」の観点で評価を受けた。姫路市のチョウとされているジャコウアゲハが飛び交っていた400年前の風景を取り戻そうと、総合的な学習の時間などに児童らが環境整備を進めた。
 博報賞は「国語教育」「日本語教育」「特別支援教育」「日本文化・ふるさと共創教育」「国際文化・多文化共生教育」「独創性と先駆性を兼ね備えた教育活動」の領域での実践について評価し、贈呈している。

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