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教職員の不祥事防止へ研修プログラムを策定

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都道府県教委

埼玉県教委

 埼玉県教委は5日、教職員による不祥事の防止に向けた研修プログラムを策定した。教職員一人一人が不祥事の問題に自分ごととして向き合うよう、研修の目的や目標、具体的な指導内容などを整理し、テキストにまとめた。体罰、わいせつ行為、盗撮、ハラスメント行為、著作権法違反などさまざまな事例を交えて、そうした行為に至るまでの心理状態などを学ぶとともに、予防策を考えるなどする。
 このプログラムは、「未来を育てる 私たちの使命と誇り~不祥事根絶を目指して~」と名付けた。内容は「不祥事防止全般編」と「個別の不祥事編」に沿って紹介。「不祥事防止全般編」では、欲求を正当化する「認知のゆがみ」などを挙げ、不祥事が起こるきっかけを明らかにした。誰でも不祥事を起こす危険性があるため、普段から自身の言動を意識するよう示した。
 パワー・ハラスメントなど具体的な不祥事の事例は「個別の不祥事編」で挙げ、組織的に防ぐポイントや、教職員の意識を確認するチェック項目などを明確にした。
 事例の一つである「児童生徒に対するわいせつ行為」では、生徒とLINEの連絡先を交換した教員が、やりとりを進めるうちに生徒から好意を持たれていると思い込み、不適切な行為に至った、架空の事例を提示。子どもにとって教職員は信頼している大人であることを改めて見直し、子どもの連絡先を得る時のルール確認などを行うよう勧めた。
 他に、プログラム作成時の参考になった資料、県内での懲戒処分件数や基準、服務に関する基本的事項なども掲載している。
 このプログラムは、県教委のホームページにも掲載。テキストの積極的な活用を進めていく。

都道府県教委

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