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第14回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校決定

11面記事

企画特集

最優秀賞を受賞した「ライフプランシート」(左=中・低学年の部 加藤さん)(右=高学年の部 相場さん)

 特定非営利活動法人=NPO法人 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会(略称:日本FP協会)が主催する、第14回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」(共催:日本教育新聞社、後援:文部科学省、金融庁、全国都道府県教育委員会連合会ほか)の入賞作品がこのほど決まった。
 全国から寄せられた作品総数は2303作品(学校応募64校)で、厳正な第1次選考(434作品)、第2次選考(262作品)を経て、個人賞として中・低学年部門と高学年部門にそれぞれ最優秀賞1名、優秀賞と奨励賞各10名、学校賞として最優秀学校賞1校と優秀学校賞10校が選ばれた。両部門の最優秀賞受賞作品の全文とその「ライフプランシート」を掲載する。

個人賞
中・低学年の部 最優秀賞
私の将来の夢
加藤 桂子 筑波大学附属小学校4年

 私の将来の夢は、国連事務局事務総長になることです。理由は、世界の人々をだれひとり置いていかないで、未来の地球を笑顔にしたいからです。
 国連事務局事務総長になろうと思ったきっかけは、学校の社会科の授業にあります。それは、「牛乳からの食品ロス」の話を聞いたことから始まります。スーパーマーケットに並んでいる牛乳パックは陳列棚の手前と奥で賞味期限がちがいます。賞味期限が近い物から買って欲しいからです。もし皆が棚の奥から牛乳を取り続けたら、手前の牛乳が残って捨てることになるのです。これは国連がかかげる持続可能な開発目標・SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」につながっているのです。食品ロス問題は先進国と開発途上国のどちらでもおこっています。このまま増え続けると処分にたくさんのお金がかかったり、貧困で食料に困っている人達がますます貧困になってしまうのです。だから、SDGsの目標が達成できるようにするために、一人一人の行動を変える事が大切なのです。
 まず私に出来ることは、給食を残さず全部食べる事です。好ききらいで残すことをやめることが、食品ロスを減らす第一歩だと思うからです。毎日コツコツとかんばります。
 このような具体的なライフプランを描いてみて分かった事があります。貧困のない、世界の人々が平等に生活できる社会を作る仕事をするには、たくさんの努力と努力を続けるためのお金が必要だと言う事です。夢の実現のためには日々の努力と共にお金をコツコツためる事が大切なのです。
 私は、大切な時間とお金を計画的に使い、世界の出来事や問題点から未来を想像する力を、みがこうと思います。社会に役立つ自分になるために、そして、未来の地球が笑顔になるために。

個人賞
高学年の部 最優秀賞
今の私にほこれる自分に
相場 千尋 鹿児島大学教育学部附属小学校6年

 ねぐら入りするカラス。地面をはうアオダイショウ。木の上で寝転ぶネコ。物かげに隠れるアナグマ。私は幼いころからそんな動物達の姿をながめていた。「なんでカラスはねぐらに集まるんだろう。」、「なんでネコは高いところが好きなんだろう。」そうしているうちに動物に対する疑問が目芽えていた。身近に住む動物は疑問の塊だ。どうしてだろう、なぜだろう、そんな気持ちがあふれでてくる。そんな幼いころの気持ちが、私が「動物行動学者」という職業を目指す出発点になった。
 将来の夢についてライフプランを書こうとしたら、私は動物行動学者について、くわしく知らないことに気づいた。だから、本やインターネットで、情報を集めた。その結果、動物行動学者とは、動物の行動を、なぜそんな行動をするのかと、観察や実験で調べる職業のことで、それを知ることで動物と人間の共存の手助けになるということが分かり、動物行動学者への思いがますます強くなった。
 そこで、動物行動学者になるためにはどうしたらいいかも調べ、自分なりに考えてみた。高校を卒業した後、動物行動学で有名な大学の理学部の生命科学研究科や環境科などに入学する。ひたすら観察や実験をして、じゅう実したキャンパスライフを送って大学を卒業する。そして、大学院に入学する。博士号をとるために勉強をたくさんしておく。そして大学院を卒業するとともに博士号を取得する。動物行動学者になってからは、大学の先生、教授になることが一ぱん的なようで、そこから本をしっ筆する方もいるそうだ。私は多くの人に動物と共存できるすべを伝えたいので、博士号を取得して大学の教授になったら、動物に関する本をしっ筆してみたいと思う。
 動物行動学者になるために必要なのは、勉強だけでないことも分かった。主に二つの能力を高めなければならない。一つ目は、体力だ。動物行動学者は、野外で行動することが多いため、体力が必要になってくる。二つ目は、探きゅう心だ。「どうしてだろう。」、「もっと知りたい。」という気持ちが、研究を深めるそうだ。その他にも、観察力や忍たい力、論理的な考え方が求められるそうだ。動物に対する探きゅう心は自信があるが、体力や論理的思考は自信がないので、これから習い事の陸上や少林寺拳法で体力をつけて、じゅくの勉強で論理的思考をみにつけたいと思う。
 ここまでライフプランや作文を書いてきて、私の夢を叶えるにはたくさんのお金が必要だと分かった。受験料、入学費、生活費、研究費、授業料などだ。夢を叶えるために、今からお金をためて、将来は私のためにお金を使ってくれる家族に仕送りをしたいと思う。
 私の夢は、「動物行動学者」。幼いころの探きゅう心と家族への感謝を胸に、今の私へほこれる自分に向けて、一歩一歩前進していきたい。

第14回「小学生『夢をかなえる』作文コンクール」受賞者・受賞校一覧

【個人賞】―中・低学年の部―(50音順・敬称略)

・最優秀賞(1点)
 加藤 桂子(東京・筑波大学附属小学校4年)

・優秀賞(10点)
 神先 幸平(東京・筑波大学附属小学校4年)
 北上 莉子(東京・筑波大学附属小学校3年)
 嵇 娅賽罕(ジ・ヤサイハン)(東京・筑波大学附属小学校3年)※ジは禾(のぎへん)に(尤の下に山)、ヤは女へんに亞の異体字
 関口 智弘(東京・江東区立平久小学校2年)
 高田 悠杜(東京・筑波大学附属小学校3年)
 塚原 佳那子(茨城・江戸川学園取手小学校4年)
 土倉 歩美(東京・筑波大学附属小学校3年)※土の右上に点
 室谷 葵都(大阪・泉佐野市立日根野小学校4年)
 山口 愛純(徳島・徳島文理小学校4年)
 若林 想(東京・筑波大学附属小学校4年)

・奨励賞(10点)
 伊藤 雅陽(岐阜・岐阜市立鷺山小学校4年)
 井上 玲(東京・筑波大学附属小学校4年)
 梅田 弥侑(岐阜・岐阜市立鷺山小学校4年)
 大槻 昌真(東京・筑波大学附属小学校3年)
 折本 諒真(徳島・徳島文理小学校4年)
 篠﨑 乃碧(東京・筑波大学附属小学校3年)
 須澤 紗来(茨城・江戸川学園取手小学校4年)
 染谷 虹遥(東京・清瀬市立清瀬第六小学校4年)
 柳原 龍臣(鹿児島・大崎町立持留小学校3年)
 水野 隆太郎(徳島・徳島文理小学校4年)

【個人賞】―高学年の部―(50音順・敬称略)

・最優秀賞(1点)
 相場 千尋(東京・筑波大学附属小学校6年)

・優秀賞(10点)
 阿部 由奈(東京・筑波大学附属小学校5年)
 荒木 結衣(東京・筑波大学附属小学校5年)
 押見 圭都(新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校5年)
 小田 孝太朗(福岡・北九州市立足立小学校5年)
 北村 真悠(鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校6年)
 後藤 大智(熊本・南阿蘇村立両併小学校5年)
 高橋 良佳(東京・筑波大学附属小学校5年)※高ははしごだか
 辻 真宙(和歌山・海南市立亀川小学校6年)
 徳満 香那子(鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校6年)※徳は旧字体
 藤澤 由佳莉(東京・筑波大学附属小学校5年)

・奨励賞(10点)
 相原 瑠維(愛媛・松山市立垣生小学校6年)
 朝日藤 寿樹(新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校5年)
 川田 真彩(東京・筑波大学附属小学校5年)
 木口 間尋(東京・筑波大学附属小学校5年)
 笹谷 奏太(東京・筑波大学附属小学校5年)
 鈴木 蓮花(山形・米沢市立窪田小学校6年)
 中村 乃亜(静岡・静岡市立清水袖師小学校6年)
 松山 優子(東京・筑波大学附属小学校5年)
 萬年 城(山形・酒田市立一條小学校5年)
 八尾 結花(東京・筑波大学附属小学校5年)

【学校賞】

・最優秀学校賞(1校)
 東京・筑波大学附属小学校

・優秀学校賞 (10校)
 茨城・江戸川学園取手小学校
 徳島・徳島文理小学校
 東京・清瀬市立清瀬第六小学校
 愛媛・松山市立垣生小学校
 新潟・新潟大学教育学部附属新潟小学校
 熊本・南阿蘇村立両併小学校
 岐阜・岐阜市立鷺山小学校
 鹿児島・大崎町立持留小学校
 静岡・静岡市立清水袖師小学校
 鹿児島・鹿児島大学教育学部附属小学校

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