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GIGAスクール構想 小学校低学年1人1台端末を活用した授業実践ガイド

18面記事

書評

堀田 博史 監修・編著
佐藤 和紀・三井 一希 編著
写真資料添えて多数の事例紹介

 GIGAスクール構想により全国の小・中学校に情報端末が配備され、それに伴って授業の工夫改善が進む。機器の導入は済んだが、活用はどの程度進んでいるか。低学年担当教員からログインなど初期の段階での苦労を耳にする。子どもたちの習得は大人以上に早いようだが、低学年での情報端末活用の授業実践に難しさを感じる先生は少なくないのではないか。
 本書は、そんな低学年での情報端末を活用した授業実践が32例示された(幼稚園の活用2事例含む)。使用するOSやツールは違えど、どの実践例も大いに参考となる。写真資料が豊富で画面表示も子どもたちの様子もよく伝わる。授業のねらいとともに情報活用能力育成のねらいも示され、授業のどの場面でどんな機能を活用するのか捉えやすい。さらに、教師の発問や児童の反応も掲載されているので、読者のアイデアを加味すると、良い実践が生まれそうだ。他にも「情報活用チェックリスト」「確認カード」を学年別に掲載。例えば「カメラ機能を使って写真を撮ることができる」「情報を受け取る相手の気持ちを考える」等、一体何ができるようになればいいのかのヒントとなる。
 子どもたちが「面白そう」「やってみたい」と笑顔で学びに向かっていくように、教師も便利さを感じ楽しみ、子どもたちと一緒に学び実践を積み重ねる大事さを教えられた。今すぐに、手に取って読みたい一冊。
(1760円 東京書籍)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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