日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

県内の全公立高で生徒を全国募集 香川県教委 

1面記事

都道府県教委

計286人を県外枠に

 香川県教委は来年度入学者選抜で、全ての公立高校と県立中学校に、全国から生徒を募集する枠を設ける。選抜方法は県内から受験する方法と同じ。県内の生徒が県外の生徒と交流することで刺激を受け、香川県の特長を再発見したり、学習意欲を向上させたりすることを狙う。各校の魅力向上も目指す。昨年度実施分の入試では14校で全国募集を行った。全31校に拡大する。

 来年度入学者選抜では、29校の県立高校と1校の市立高校に全国募集枠を設ける。最多の観音寺総合高校は工業科と総合学科合わせて28人とする。最少は高松桜井高校の3人。各校とも合格者数の上限と位置付けている。合計で286人を県外枠とする。他に県立中学校にも枠を設ける。
 香川県内に身元引受人を確保し、生徒が県内に転居して通学する方法と、県外の自宅から通学する方法がある。
 香川県は徳島、愛媛両県と隣り合っている。瀬戸内海を隔てた岡山県とは橋でつながり、岡山市から高松市まで1時間弱で移動できる。坂出市であれば、40分ほどの移動時間となる。
 同県教委では、この仕組みを「せとうち留学」と名付けて、周知に努めている。ただ、転居せず、県外から通学する方法だけを認める高校が18校あり、定員を合計すると県外枠の約半数を占める。
 身元引受人は親族などを受験生側が確保することとなるが、事情によって学校側が確保し、紹介できる場合がある。転居先も学校側が紹介できる場合がある。寮を設けている高校もある。
 入学者選抜は、県内募集枠と同じ内容、日程で行う。自己推薦選抜は受けられない高校がある。
 昨年度、全国募集を行った学校では、28人から応募があり21人が入学した。岡山、愛媛県からの入学が多かった。近畿圏からの入学もあった。
 県外の中学校には生徒向けにパンフレットを配っている。それによると、自分が学びたい専門学科があった生徒や、自分が住む地域に同じような希望校があっても香川県に向かった方が通学時間を減らせる生徒が、この仕組みを使って入学している。

都道府県教委

連載