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損保学ぶ教材が「不十分」高校教員の4割 協会調べ

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 高校の新学習指導要領で、公民科や家庭科の授業で取り上げるよう示された「生活におけるリスク」や「民間保険」のうち損害保険について、副教材や教科書の記載が不十分だと考えている教員が4割を占めることが分かった。4月からの成人年齢引き下げに伴い、高校での金融教育や消費者教育の重要性が増す中、指導に役立つ教材や情報の充実が求められている。
 調査は一般社団法人日本損害保険協会(東京・千代田区)が昨年9月から10月にかけて、郵送やウェブ上で実施。全国の高校の公民科教員700人、家庭科教員936人が回答した。

 事故や病気、失業、災害など「生活におけるリスク」について授業を行っているのは52・8%。教科別では家庭科(68・4%)が公民科(32・0%)を上回った。年間の授業時数は各学年で2時間以内が6割を占めた。
 授業内容は「備えとして社会保障制度(国民年金、健康保険など)があること」(89・9%)が最も多く、次いで「日常生活において様々なリスクが存在すること」(82・8%)、「備えとして民間保険(生命保険や損害保険など)があること」(59・0%)だった。
 一方、生活におけるリスクへの経済的な備えとして、損害保険に関する授業を行っているのは23・4%にとどまった。年間の授業時数は各学年で「1時間未満」が最多だった。
 今後、生活におけるリスクや損害保険に関する教育が浸透するために重要だと考える取り組みは、「副教材・ツールなどの充実」「授業時間の確保」「教科書の記載内容の充実」が上位3位だった。
 身の回りのリスクや損害保険を知ってもらおうと、同協会は生徒向けの冊子「明るい未来へTRY!~リスクと備え~」を作成し、教員用手引書とともに提供している。生徒用教材の動画やパワーポイントも用意する。各教材はウェブサイト「そんぽ学習ナビ」でダウンロードできる。

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