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生徒の英語力改善進む 目標値には届かず 文科省

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文部科学省

 文科省は18日、令和3年度の英語教育実施状況調査の結果を公表した。中学3年でCEFR(欧州言語共通参照枠)の「A1レベル」(英検3級)、高校3年で「A2レベル」(英検準2級)以上を取得している割合は、目標の50%には達しなかったものの、前回より改善していることが分かった。ただ、自治体による差が大きいため、同省は引き続き、授業改善の取り組みを共有していくことが必要だとしている。
 調査は教育委員会と公立学校を対象に、平成25年度から毎年実施している(昨年度は中止)。国の教育振興基本計画で掲げたCEFRの目標に達したのは中学年では47・0%、高校生では46・1%で、どちらも3ポイント近く上昇した。
 中学では福井県が85・8%、さいたま市が86・3%と、民間試験の受験を生徒に課している自治体で割合は高かったが、佐賀県は31・9%、愛知県では32・0%などと差が大きかった。高校では福井県の59・6%が最高だった。
 調査では「話すこと」「書くこと」についてのパフォーマンステストの実施状況も調べている。小学校と中学校では9割を超えたが、高校は4割以下と依然として低かった。学科別では、普通科で37・5%、英語・国際学科で67・2%、専門学科・総合学科で38・6%だった。
 高校では、自治体間の差も目立ち、堺市が100%だったのに対し、岡山市と北九州市では0%、埼玉県では15・6%だった。
 同省の分析によると、言語活動時間と担当教員の英語力の二つの要素が生徒の英語力に最も影響を与えていたという。

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