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第17回 出光興産 環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」入賞者が決定!

8面記事

企画特集

環境問題を身近に感じる機会に

 わたしたちの身近なところにある、いつまでも残したい「○」の風景と、すぐにでも改善したい「×」の風景を写真にして、コメントを添えて作品にする、出光興産主催の第17回(2021年度)環境フォト・コンテストの各賞が決定した。
 本コンテストは出光興産(株)が、次世代を担う子どもたちに環境問題を身近に感じ、意識を高めてもらう機会を提供することを目的に2005年から開催している。
 今回の応募総数は、昨年度から約3900点増の1万5558件と過去最高を更新。学校団体応募数も約180校増え、669校となった。SDGs教育への関心が高まり、授業での当コンテストの活用が進んだことが、応募数の増加につながったと考えられる。作品のテーマも、環境問題が比較できる写真から、自分たちの住んでいるまちの文化や家族・地域社会との関わり、仲間と行った環境改善活動の成果などへと広がりを見せている。
 また、応募者からは、撮影した写真とその作品に込めた想いを校内で発表して学校の仲間と共有したり、家庭で環境について語り合ったりしたという声もあり、一人ひとりがあらためて身近にある自然の美しさや環境を守る大切さに気づくきっかけになっている。

小さな被写体から感じた美しさと幸福感
 小学校部門では、八重樫 優衣さん(栃木県)の『しぜんに光るキラキラがすき』が金賞を受賞した。雨降りの通学路。ふと視線を落とした先で光る2つのキラキラに気づくが、ガラスの破片よりも自然の葉の上で光る雨つぶの方に目を奪われたことをモチーフにした作品だ。
 「わたしは道に落ちたガラスより葉っぱの雨つぶが光っているほうがきれいだと思いました。ゴミは決められた場所にすてるようにして、安全な道にしたいと思います」と気持ちを寄せている。
 どちらの写真も背景のピントを浅くして、撮りたいものが伝わってくる。本来きれいなガラスでも、環境や安全を脅かすゴミとなり得ることを考えさせられると高い評価を受けた。

小学校部門金賞『しぜんに光るキラキラがすき』。雨の日に光る葉っぱの雨つぶとガラスの破片を対比

 中学校部門の金賞は、堤 愛菜さん(熊本県)の『幸せな居場所は何処に在る…?』が受賞した。竹の子の先端で日向ぼっこしているようなアリと、コンビニのごみに甘い餌を求めてせわしなく動き回る都会のアリ。
 作者は人の出したごみに群がるアリより、美しい自然の中で植物の蜜に寄るアリの方が幸せそうに感じたとコメント。写真からは、確かに居心地の良さと無機質な冷たさが伝わってくる。そんな小さな被写体の幸せに思いを馳せた着眼点から、環境問題は人間だけの問題ではないことを改めて訴える作品だ。

中学校部門の金賞『幸せな居場所は何処に在る…?』。被写体を画面の手前に大きく配置することで迫力のあるダイナミックな写真に

自ら課題を見つけ、解決する学びに
 高校・高等専門学校部門で金賞に輝いた魚谷 晴大さん(大阪府)の『暑い夏自分にできる温暖化対策』は、涼しげな林を背景にかき氷機、かき氷、うちわを配置した写真と、設定温度を21度に下げたエアコンのリモコンの写真を対比。そこには、温暖化対策にはうちわや打ち水を使ってエアコンの代わりとして涼しさを保つなど、自分にできることを考えることが大切という作者のメッセージが込められている。
 また、学校団体部門の最優秀賞は、学校法人都築教育学園鹿児島第一中学校(鹿児島県)が受賞。2年生PBL(問題解決型学習)の課題として初参加。応募後は授業内で一人ひとりが1分間スピーチを行い、写真講評やクラス内投票を取り入れるなど工夫。指導教諭は「生徒たちからは自分にない視点や考え、発想に気づいたという声が挙がり、身近な環境に関する意識を高めることができました」とコンテストの活用を通じた生徒たちの成長を感じている。
 このように本コンテストは、環境に対する現状の問題点を探すだけでなく、どうすれば改善できるのかまで考察することで、新学習指導要領が目指す「主体的で対話的な深い学び」につなげることができる。

 環境フォト・コンテストに関する詳しい情報はホームページまで。
 https://www.idemitsu.com/jp/enjoy/kids/photo/

今年度の募集を開始!
~未来につなげる「○(まる)」がある。未来に変えたい「×(ばつ)」がある。~

 出光興産(株)は、今年で18回目となる環境フォト・コンテスト「わたしのまちの○(まる)と×(ばつ)」(後援:環境省、文部科学省)の募集を開始する。
 応募は、小学校、中学校、高校・高等専門学校の部門に分かれており、各部門ごとの賞や特別テーマ賞として「だったらこうしよう」賞などを設けている。また、学校単位で応募した学校を対象に「学校団体賞」を設け、学校団体応募者全員に参加記念品を進呈する。
 審査基準は、写真のクオリティ、○と×の組み合わせとテーマ、作品コメントとして記入された環境に対する視点や考え方を総合的に評価する。募集期間は7月1日から9月30日まで。

 問い合わせ=出光興産株式会社お客様センター 電話0120-132-015
 受付時間 9:00~17:00(土日、祝日、年末年始は除く)出光興産株式会社広報部 環境フォト・コンテストお問い合わせ窓口

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