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高校「探究」教員半数が「質問に応じる時間、人脈ない」

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 「総合的な学習の時間」に代えて本年度から高校で必修となった「総合的な探究の時間」について、指導している教員のうち約半数が「生徒の質問に答えるための時間や人脈がない」と答えたことが、高校の放課後学習を支援するトモノカイ(東京・渋谷区)の調査で分かった。専門性の高いテーマを設定する生徒が多く、負担を感じている教員の姿が浮き彫りになった。
 調査は7月、全国の高校教員360人を対象にインターネットで実施。そのうち「探究」の指導経験があるのは301人だった。文科省の初等中等教育局視学官として学習指導要領の改訂に携わった田村学・國學院大学教授と共同で行った。
 指導する中で感じる課題は「生徒からの質問に答えるために情報を調べる時間がない」(23・2%)が最も多く、次いで「生徒からの質問に答えるために大学の研究室などに問い合わせるネットワークがない」(22・2%)だった。さらに「生徒からの質問に答える方法がわからない」(4・6%)や「生徒からの質問の専門性が高く、答えられる知識がない」(3・3%)の回答もあった。
 こうした課題を解決するために取り組んでいることも尋ねた。最も多くの回答が集まったのは「教員同士で指導法を検討」(43・1%)だった。授業以外の支援で希望するのは「放課後の教室で学生が生徒の学習をサポートする」(33・8%)が最も多かった。
 同社は東京大学家庭教師サークルを母体に設立され、大学生が「探究」の支援を行う事業も展開している。
 今月からは教育プラットフォームの「Classi」と連携した新プログラムの提供を始めた。大学生が学習経過を確認してアドバイスをClassiに登録し、生徒も質問や相談を書き込む。教員は学生が一次評価した内容を踏まえて生徒の指導や最終評価を行う。

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