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「呼吸」でストレス軽く 臨床心理士が児童に授業

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地域・支援団体

教わった呼吸法を試す3年生児童=13日、第三日暮里小学校

東京・荒川区

 長引くコロナ禍でストレスにさらされている子どもたちに対処法を学んでもらおうと、東京都荒川区立第三日暮里小学校で13日、臨床心理士を講師とする出張授業があった。
 一般社団法人の社会応援ネットワークによるもので、3年生の児童は、全身を動かすリラックス法や、呼吸を通して心の安定を得る方法などを身に付けた。受講後の児童は「心と体のつながりを感じた」などと話した。
 今回の講師はスクールカウンセラーなどとして活動する臨床心理士の坂上頼子さん。競輪・オートレースの収益金を使った補助事業を活用し、同ネットワークは各地の学校で「心のケア」に関する出張授業を行っている。
 この授業で坂上さんは3種類のリラックス法を紹介。体育館に集まった児童は坂上さんの指導の下、実際に体験した。
 そのうちの一つは、1回の呼吸を10秒間かけて行うというもの。赤ちゃんの頃は腹式呼吸をするが、次第に胸式呼吸に慣れ、身体がストレスを抱えるようになるなどと坂上さんは説明した。
 児童は腹部に手を当て、ゆっくりと空気を吸い込み、吐き出した。この間約10秒。
 体験した児童の1人が感想を求められると「眠くなった」と応答。「同じです」との声も飛んだ。これに対し、坂上さんは「緊張がなくなると眠くなる。上手に緩められた証拠です」などと解説した。
 こうしたリラックス法をはじめ、ストレスについて理解を深められるよう、同ネットワークは子ども向けの書籍を発行。動画でもリラックス法を紹介している。
 この書籍は、「図解でわかる 14歳からのストレスと心のケア」の名で太田出版が発行している。1650円。

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