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水害対策手引き、自治体防災部局との連携体制構築求める

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文部科学省

 近年、台風や豪雨による水害が相次いでいることから、文科省は学校施設の水害対策の手引きを作成し、公表した。児童・生徒の安全確保対策や、教育活動を早期に再開できるようにするための環境整備策を盛り込んだ。学校や教育委員会だけでなく、自治体の治水担当部局などとの連携を求めた。
 水害や土砂災害が近年、頻発している。令和元年東日本台風(台風19号)の際には31道府県で2170校が被害を受けた。令和2年7月豪雨では2114校が休校などの措置をとった。
 対策が求められる一方、学校の対策は進んでいない。文科省の調査によると、公立学校の2割が浸水想定区域に立地しているものの、浸水対策が行われていたのは15%程度にとどまっていた。このため、文科省は令和3年に有識者会議を立ち上げ、対策の検討を進めてきた。
 緊急時の安全確保や、学校施設の被害を軽減するための対策は、教委と学校が連携して検討する。
 事前に予測できる場合は学校に来させない、早めに下校させるといった対応だけでなく、突発的に発生した場合のことも想定する。ハード面では、想定最大規模の浸水を想定した対策や、避難誘導のためのバリアフリー化の整備を求めた。
 近年の災害では休校が長期間に及び、教育活動に影響が出たことから、早期に再開できるための対策もする。学校施設の被害を軽減するため、電気設備のかさ上げなどを対策例に盛り込んだ。
 対策を検討するにあたっては、水害対策を議論する「流域治水協議会」など、自治体の河川担当部局や防災部局といった関連部局との連携体制を作ることを求めた。

文部科学省

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