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「夢と自然の探求者たち」展開催 群馬県立館林美術館

関東版

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群馬県立館林美術館外観

6月25日(日)まで
松下和美 群馬県立館林美術館学芸員

 群馬県立館林美術館は、県東部の多々良沼近くに位置する美術館です。
 建築設計は高橋靗一(ていいち)氏が率いた第一工房、ランドスケープデザインはオンサイト計画設計事務所が手がけ、平坦な地形を活かした低層建築と自然豊かな景観が一体となっているのが特徴です。弧を描く大きなガラス面のギャラリーは、歩きながら、外とのつながりを感じられる空間となっています。自然と近しい空間環境を備えた当館では、作品のコレクションや展覧会の企画においても「自然と人間のかかわり」を主なテーマとして活動を行っています。
 現在、当館では、人間の無意識や直感と関わる近現代の美術を取り上げた企画展示「夢と自然の探求者たち」を開催しています。作品は、当館のコレクションと、群馬県立近代美術館、足利市立美術館のコレクション、そして個人コレクションから出品されています。展示は、19世紀西洋の幻想版画に始まり、20世紀に内的なイメージを探求したシュルレアリスムとその系譜、シュルレアリスムを日本にもたらした群馬出身の画家、福沢一郎ほかの日本の近現代作家まで、幅広いものとなっています。
 さらに外光の入る展示室では、群馬の二人の作家による空間を活かした展示も行っています。一人は、中之条町(旧六合村)の山に住み、自然の中で手に入れた素材で作品を生んだアメリカ人作家、スタン・アンダソンさん。もう一人は、館林市内で取り壊される予定だった家の建材で、館林の街をイメージした展示を作りあげた亀山知英さんです。ぜひこの機会に建築空間と展示作品をお愉しみ頂ければと思います。
 最後に、当館にご来館の際は、「別館」にもどうぞお立ち寄りください。当館コレクションを代表する彫刻家フランソワ・ポンポンのアトリエを再構成した「彫刻家のアトリエ」を常設しています。別館は、ポンポンの出身地、フランス、ブルゴーニュ地方の農家を模した建物で、周囲の植栽とともにヨーロッパの風情も感じて頂けることでしょう。


パウル・クレー≪子どもたち≫ 1929年 当館蔵


福沢一郎≪科学美を盲目にする≫ 1930年 群馬県立近代美術館蔵


亀山知英≪HI-TO-BI-TO-2022≫より 2022年 作家蔵


別館外観

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