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一刀両断 実践者の視点から【第346回】

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通知表の手間

 《終業式の通知表 大半の学校で配れず 教諭のパソコン誤操作が影響 日置市教委「申し訳ない」》(南日本新聞)という見出しの記事によると、この事態は想定内の事と感じられた。コンピュータウイルス対策によるものだったという。それさえ万全であればかえって慎重で適切な対応と評されてもおかしくはない事案である。
 指摘するなら感染予防の対策をどのようにとっていたかということ、また、不測の事態を想定して常にコピーをとって別ルートでも出力できるようなシステムを組んでいればこうした事態は防げただろうということである。
 現在の通知表の所見欄は大変に手間がかかる。作成の労力にみあったものにはなってはいない。ある意味親へのサービスであり気休め程度になってしまっている。
 学習の成績と生活の様子は別物にして折々に私は出していた。それは二期制だったからかも知れない。本来評価は比べて一喜一憂するのではなく、どの子もやる気にさせる為にあるのであって、やる気を削ぐものなら何の価値があるのだろうか。特に不登校の子にオール1を付けて、生活欄も記載できず、とするのが評価なのか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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