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令和6年通常国会「質問主意書」から【第1回】

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 国会議員が国会開会中、政府に対して文書で質問する「質問主意書」。開会中の通常国会でも、教育に関する課題を浮き彫りにし、政府の考えを引き出そうとする質問が出ている。2月7日には、鈴木宗男参院議員(無所属)が「埼玉県における公立別学高校の廃止に向けた動きに関する質問主意書」を提出。「高校生活の3年間を一方の性に限ること」についての見解を尋ねるなどした。

【質問】
埼玉県における公立別学高校の廃止に向けた動きに関し、以下質問する。

一 文部科学省は、埼玉県男女共同参画苦情処理委員による令和五年八月三十日付勧告書第二号なる文書(以下「勧告書」という。)の存在を承知しているか。

二 勧告書には、「平成十四年三月二十八日における苦情処理委員の勧告(以下「平成十三年度勧告」という。)は、「県立高校については、現在存在する男女別学高校の共学化を早期に実現するように勧告します。」というものであった。この勧告の趣旨は、「高校生活の三年間を一方の性に限ることは、人格形成からも、また男女共同参画社会づくりの視点からも問題である。高校生という多感な時期に、異性と真剣に向き合い共に協力し合って問題を解決していく体験こそ重要である。公立の高校として、男女の性差にとらわれることなく、個人の能力・個性を発揮していくため、男女別学校の共学化を早期に実現する必要がある。」という、男女共学の必要性・早期実現を強く訴えるものであった。」と記されている。

 (1)文部科学省は、勧告書の内容を承知しているか。
 (2)文部科学省は、高校生活の三年間を一方の性に限ることは、人格形成から問題であると考えるか。考えるならば、その具体的根拠を示されたい。
 (3)文部科学省は、高校生活の三年間を一方の性に限ることは、男女共同参画社会づくりの視点からも問題であると考えるか。考えるならば、その具体的根拠を示されたい

三 前記二の(1)、(2)、(3)に対する回答は政府の共通見解と考えてよいか。

四 国立高校には筑波大学附属駒場高校という男子校、お茶の水女子大学附属高校という女子校があると承知するが、それは事実であるか。また、国立高校に男子校、女子校の存在が認められている理由について説明されたい。

五 埼玉県における浦和高校、春日部高校、川越高校、熊谷高校、松山高校という男子校について、以下質問する。

 (1)政府は、これら学校の出身者並びに在学生が人格形成において、男子校出身であるが故に問題を起こしていると認識しているか。かかる認識を持っているとすれば、その具体的根拠を示されたい。
 (2)政府は、これら学校の出身者並びに在学生が男女共同参画社会づくりの視点から、男子校出身であるが故に問題を起こしていると認識しているか。かかる認識を持っているとすれば、その具体的根拠を示されたい。

六 埼玉県における浦和第一女子高校、久喜高校、春日部女子高校、川越女子高校、熊谷女子高校、鴻巣女子高校、松山女子高校という女子校について、以下質問する。

 (1)政府は、これら学校の出身者並びに在学生が人格形成において、女子校出身であるが故に問題を起こしていると認識しているか。かかる認識を持っているとすれば、その具体的根拠を示されたい。
 (2)政府は、これら学校の出身者並びに在学生が男女共同参画社会づくりの視点から、女子校出身であるが故に問題を起こしていると認識しているか。かかる認識を持っているとすれば、その具体的根拠を示されたい。

【答弁】

一及び二の(1)について
 お尋ねの「埼玉県男女共同参画苦情処理委員による令和五年八月三十日付勧告書第二号なる文書」については、承知していない。

二の(2)及び(3)並びに三について
 お尋ねの「人格形成から問題である」及び「男女共同参画社会づくりの視点からも問題である」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について
 前段のお尋ねについては、御指摘の筑波大学附属駒場高等学校においては男子のみ、お茶の水女子大学附属高等学校においては女子のみの生徒の募集を行っているものと承知している。
 後段のお尋ねについては、男女共学とするか男女別学とするかについては、学校の特色、その歴史的経緯等に応じて、各学校の設置者等において適切に判断されるべきものであると考えている。

五及び六について
 お尋ねの「人格形成において…問題を起こしている」及び「男女共同参画社会づくりの視点から…問題を起こしている」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、御指摘の「男子校出身」又は「女子校出身」であることが御指摘の「これら学校の出身者並びに在学生」に与えた影響については承知していない。

令和6年通常国会「質問主意書」から