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一刀両断 実践者の視点から【第366回】

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校長の逮捕

 《「再び見ることがあると思い、下半身を触っている画像を…」東京・練馬区の中学校校長 過去の教え子のわいせつ画像を所持か》(TBSテレビ)という見出しの記事には呆れた。そしてそのショックはかなりのものとなるだろう。
 これが氷山の一角とすると安心できる場所はないのではないだろうかと思われてしまう。日々熱心に誠実に勤務している教師たちへの不信が高まってしまうことは否めない。
 55歳の年齢からして期待度もあった事が伺われるが、その裏切りは区全体の教育への不信となり、何よりも被害生徒の心理は救いようもない。
 こうした幼稚な性の満足感が蔓延してはいないだろうか。社会勉強と言われて繁華街に連れ出されて洗礼を受けたことがあったが、それは今では闇でしかないだろう。
 こうした性の有り様はどのようにすべきなのかという真正面からの対話がされる場所や機会は皆無に近い。それに加えてハラスメントや個人情報などのしばりにより、個々への分断が加速している。ある程度の基準が崩壊してしまったのではないだろうか。
 してはならない事の規範が見えにくくなってしまったのである。こうした規範の崩壊は意図的にされているように思えてならない。
 メディアの規範や法の規範も権力によって市民には分からないように闇に処理される事が様々なニュースから明らかではないだろうか。これもこうした事へ対処する教育がなされていないからである。
 現実にコミットする教育へと転換しない限り日本社会は崩壊して行く。 
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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