公立学校の通信ネットワークの回線速度について、約8割の学校が文科省の推奨速度を満たしていないことが同省の調査で分かった。規模が大きい学校ほど、推奨速度に達していない傾向が見られた。
　昨年11～12月、全国の教育委員会と公立小・中学校、高校を対象に調査した。教委に対しては通信契約内容とネットワーク環境の測定状況を尋ね、学校には1人1台端末の使用環境下での通信速度を測定してもらった。
　複数の学級で同時に動画教材やデジタル教科書を使っても支障が出ない速度の目安を学校規模ごとに設定したところ、目安を満たしている公立学校は全体の21・6％で、8割以上が満たしていなかった。特に841人以上の大規模校1382校のうち目安を満たしていたのは29校のみだった。また、約6割の自治体ではネットワーク環境の測定（アセスメント）を実施していなかった。