一刀両断 実践者の視点から【第672回】
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お金の使い方
群馬県教育委員会が、フリースクールに補助金を出すという。財源は、ビジネスホテルチェーン「東横イン」からの寄付金だそうだ。この話には感銘を受けた。
「金を儲ける」と「金を稼ぐ」には、言葉として微妙なニュアンスの違いがあるが、大切なのは、その蓄えたお金をどう使うかだろう。お金を生きた形で社会に還元できるかどうかは、経営者の心ひとつにかかっている。
ふと、日本という国は、国民のために本当に有益なお金の使い方をしているのだろうか、という疑問が湧く。最近では米の高騰が話題となり、海外からの輸入が検討されているという。しかし、こうした政策の多くは、国民には分かりにくい。
政治家、それも世襲の議員などは、私たち庶民との感覚からどんどんかけ離れているように感じられる。
そんな中で、東横インのように社会に意義ある形でお金を使っている企業には、自然と「応援したい」「泊まりたい」と思わせるものがある。これは、ごく素直な心の動きではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)