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公立教職員の2割がハラスメント被害 保護者からが約9割 都教委調査

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都道府県教委

 東京都教委が都内の公立学校の教職員を対象に調査したところ、回答者の約2割が過去5年の間に保護者などからのハラスメント被害に遭っていたことが分かった。9日にあった有識者会議の初会合で報告された。
 調査は4月4日~30日、都内の公立学校の全教職員対象にウェブ上で実施。1万1044人が回答し、結果を速報値として公表した。
 過去5年間に、社会通念に照らして疑問を感じる言動や行為を受けた経験があるかを尋ねたところ、23%の教員が経験「あり」と回答。このうち相手は、保護者からが88%を占めていた。具体的な内容を複数回答で尋ねると、「時間的拘束(長時間電話など)」が1482件で最も多く、次いで「暴言」が1370件、「過度な要求」が988件と続いた。物を壊す、「殺す」などといった発言による威嚇・脅迫は481件あった。
 また、会合で都教委が示した資料によると、令和5年度に都教育相談センターへ寄せられた電話相談は2万1194件、来所相談は406件、メール相談は327件だった。学校のみでは対応困難なトラブルの解決に向けて助言する窓口「学校問題解決サポートセンター」への相談は令和5年度で1238件。平成25年度からの10年間で約3倍にも増えた。
 9日の会合は、冒頭部分以外、非公開で開催。都教委の担当者によると、委員からは学校・家庭で協力してルールづくりをする必要性を指摘する声や、極端な事例のみを意識せずに、より良い関係を構築していくための方策を示していくべきだとする意見などが挙がったという。
 有識者会議では今後、

 ・保護者らとの関係づくり
 ・働き方改革の観点を踏まえた学校の態勢
 ・要望への対応法
 ・保護者らが学校へ要望する際の適切な方法
 ・学校の安全確保策

 ―などを検討する。

都道府県教委

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