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次期改訂で標準授業時数を小学校で875時間程度に削減を 東京学芸大の大森直樹教授が提言

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 次期学習指導要領での標準授業時数は小学校で年間875時間程度に削減すべきだ―。東京学芸大学の大森直樹教授が14日に記者会見を開き、提案した。その上で大森教授は「減らさないと学校現場が立ちいかなくなる」と訴えた。中学校については1単位時間を45分にした上で年間945時間程度にすべきだとしている。
 大森教授は昭和52年、平成元年、10年、20年、29年告示の学習指導要領下の標準時数に対する教員の評価を調査。小学校については令和5年に、中学校は昨年実施。それぞれ2445人、1654人から回答を得た。
 このうち、五つの期間全てで指導経験がある教員(小学校293人、中学校271人)に標準時数での学びについて尋ねると、昭和52年については「充実していた」「やや充実していた」の合計が小・中学校ともに8割を超えた。一方で平成29年は、小学校は約2割、中学校でも3割台にとどまった。
 調査を踏まえ大森教授は、時間割の中に学級活動と児童会・生徒会活動の時間を入れやすくするために特別活動の時数を年間70時間にしつつ、年間の授業時数を小学校で875時間、中学校は945時間へ削減することを提言。時間割編成をしやすくするため、各教科・領域の時数を年間週数の35の倍数にすることも求めた。
 大森教授と研究している元小学校教員の永田守さんは、次期改訂に向けた中央教育審議会の議論に対し、カリキュラム・オーバーロードの解決に向けた方策を練らずに「調整授業時数」や「裁量的な時間」でお茶を濁そうとしていると批判。裁量を確保するならもっとシンプルにすべきだと主張した。

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