改正教員給与特別措置法が成立
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改正教員給与特別措置法(給特法)が11日の参議院本会議で与野党の賛成多数により可決・成立した。昭和46年の法制定以降初めてとなる教職調整額の改善が実現。令和12年度までに10%へ段階的に引き上げる。
現行法では基本給の4%相当となっている教職調整額について、毎年1%ずつ引き上げていく。今後自治体での条例改正などを経て、来年1月からはまず、「5%」になる見通し。
同法は残業代を支給しないと定めているため、これまで「定額働かせ放題」と揶揄されることもあった。この点について、昨年8月の中央教育審議会答申は「自主的な業務と、指揮命令に基づく業務の正確な峻別は極めて困難」と指摘。今回の改正でも残業代を支給しない仕組みは維持した。
職務に応じた処遇を実現するとして、学級担任を務める教員には義務教育等教員特別手当を加算する一方、指導改善研修受講者へは教職調整額を支給しないこととした。
ただ、改正法には長時間労働の放置を防ぐ仕組みを盛り込んだ。全ての教育委員会に対して「業務量管理・健康確保措置実施計画」の策定や取り組み状況の公表、総合教育会議への報告を義務付ける。
また、学校教育法も改正し、若手教員へのサポート役を担う中堅層対象の新たな職「主務教諭」を主幹教諭と教諭の間に創設。条例改正や選考を経て、来年度にも各自治体で任用・配置が始まる予定だ。