法規から実務まで学べる 学校管理職の教科書
18面記事
宮澤 一則 著
役職別の行動ポイント示す
校長としての経験はもちろん、副校長やさまざまな行政の立場、そして、全日本中学校長会会長を務めていた著者だからこその、教育に対する強い信念と、ぶれない学校経営方針が、本書の隅々から湧き出ている。学校管理職の心得から始まり、職務としての4管理2監督の解説、そして、管理職の責任とやりがいまでの内容は、これから管理職を目指す人には道しるべとなり、ベテランの管理職にとっては、改めて自分を振り返る視点となる。
また、各章の冒頭には「押さえておきたい根拠法規・資料」が、終末には「校長」「教頭・副校長」それぞれの立場での行動のポイントが、スローガンとして端的に記載されている。例えば、「校長は保護者との信頼関係を築くには、子どものために何をすべきかを一緒に考えることが基本!」「教頭・副校長は、保護者からの連絡に対して丁寧な対応を心がけるとともに、保護者が集まる場所になるべく顔を出すことが関係をよくするきっかけ!」。
また、著者は、管理職として「生徒への責任」「教職員とその家族への責任」「保護者への責任」「地域・社会への責任」の四つの責任を十分に果たしたときに「やりがい」は感じられるものだと語る。管理職は、プレーヤーでなく、良きマネジャーであり、ファシリテーターであることを再確認する一冊。
(2310円 教育開発研究所)
(重森 栄理・広島県教育委員会乳幼児教育・生涯学習担当部長(兼)参与)