日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

教委への障害者就労 法定雇用率に届かず

1面記事

Topics

 都道府県・政令指定都市教育委員会のうち、障害者雇用率を達成しているのは28教委にとどまることが、文科省の調査で分かった。令和元年の前回調査時よりも実雇用率は上昇傾向ではあるものの、全国の合計では法定割合には届かなかった。調査を踏まえ同省は6月、通知を出し、障害のある教職員の活躍の促進に向けた環境整備などを求めた。

 調査は、令和6年度からの法定雇用率の引き上げなどを受け、令和元年の前回調査以降の教委の状況を調べるために実施。令和4、5、6年のそれぞれ6月1日時点の障害者の雇用状況や、各教委での障害のある教職員への合理的配慮などの事例を調べた。前回の令和元年調査以降の状況のフォローアップとして調査した。
 令和6年度に実際に障害のある教職員が雇用されている割合(実雇用率)は、都道府県教委で2・43%、政令市教委で2・35%、合計で2・41%だった。教委の法定雇用率である2・7%をいずれも下回った。
 法定雇用率を達成していたのは28教委で、厚労相から特例認定を受けている教委を含めると34教委だった。
 実雇用率については近年、上昇傾向が続いている。令和元年度は1・88%であったが、5年間で0・5ポイント以上増えた。
 67の都道府県・政令市教委別に見ると、実雇用率は自治体間での差が大きかった。山形や滋賀では事務職員で20%を超えたが、数%のところもあった。
 事務職員の実雇用率は、民間企業などと比べても高く、学校種別では、特別支援学校が他校種よりも高かった。
 法定雇用率を達成するには、障害のある教職員への支援や合理的配慮の体制構築が必要になる。同省は調査結果と共に、各教委での好事例を公表している。
 香川県教委では、特別支援学校高等部の卒業生への就労支援で、特別支援学校の非常勤職員として雇用。就労訓練として一般就労に向けた育成強化をする目的で実施している。
 また、熊本市では、障害のある会計年度任用職員4、5人と、引率する職員で班を構成。学校の要望に応じて派遣し、除草や清掃などの環境整備をしている。

Topics

連載