上限指針や「3分類」の見直しへ 中教審特別部会が初会合 委員には現役教諭も
NEWS 上限指針の見直しに向けて、中央教育審議会の「教師を取り巻く環境整備特別部会」は9日、初会合を開いた。改正教員給与特別措置法(給特法)で教育委員会に義務付けた「業務量管理・健康確保措置実施計画」の策定に向けて、新指針では業務量削減に関する国の考え方を示す。「学校・教師が担う業務の3分類」も内容をアップデートした上で指針に位置付ける見通しだ。
部会長には千葉大学の貞広斎子教授(副学長)が就任。「質の高い教師の確保特別部会」では、学校現場からの委員は小・中学校の校長だけだったが、今回は高校の校長や、管理職ではない教員も名を連ねている。
現行の指針は令和2年に、平成31年に示したガイドラインを格上げした形で策定。時間外在校等時間は1カ月当たり45時間以内、年間で360時間以内などとしている。
令和11年度までに国として時間外在校等時間を月30時間程度への縮減を目指すことを踏まえ、指針で「過労死ライン」である80時間超えの教員を早急にゼロにすることや、全教職員の時間外在校等時間が45時間以下の達成を目指すことを明示する案が示された。加えて、自治体の実情に応じてワーク・ライフ・バランスや健康確保の目標を設定も可能とする。
また今回、昨年8月の中教審答申も踏まえて「3分類」の内容を見直す。
・勤務時間を踏まえた開門時間の設定
・学校プールの管理
・教員業務支援員などの外部人材配置
・高校での生徒募集のための広報や、ホームページ管理への外部人材活用
・施設管理・施錠
―などの観点から検討する。
また、在校等時間の長時間化を防ぐための取り組みとして標準を大きく上回る授業時数の見直しや、学校行事の精選、校務DXの推進、関係行政機関との連携などについても指針に記載する。
指針は秋にも改定する予定。