全国学力調査 個人成績のばらつき分析を ベネッセ
NEWS ベネッセ教育総合研究所が23日、本年度の全国学力・学習状況調査の結果についての記者説明会を開いた。小村俊平・教育イノベーションセンター長は、都道府県間で得点差がわずかだったのに対し、児童・生徒間でばらつきが大きかったとして、今後原因を詳細に分析していく必要があると指摘した。学校現場では、不登校や発達障害などで教育的支援を要する子どもが増えており、次期学習指導要領で検討されている「柔軟な教育課程」の実現が重要になるとの見解を示した。
今回、学力調査は教科の成績を5段階で提示した。都道府県別では平均得点に差がほとんど見られなかったが、児童・生徒間では、いずれの教科もばらつきが大きかった。
その理由について小村氏は、質問調査で「授業の内容がよく分かる」と回答した児童・生徒や、平日の勉強時間が減少傾向にあることに注目。コロナ禍以降、不登校の児童・生徒が増加するなど、教室内の多様化が進んでいることも原因の一つだと分析した。
また記者説明会では、調査の実施方式について、将来的に児童・生徒ごとに問題のレベルが異なる適用型テストが導入されるとの見通しも示した。
本年度の学力調査は、夏休み前の結果返却を望む学校現場の声を受けて、文科省が7月14日に全体の結果を公表。7月31日には全国の詳しい分析結果を、8月以降に都道府県と指定都市別の結果を公表する。