新版 彼岸花はきつねのかんざし
13面記事
主人公は、戦時下の広島で暮らしていた小学4年生の也子。裏の竹やぶには、昔から人を化かすキツネが出る。おばあちゃんはしょっちゅう化かされているそうだ。也子は会ってみたかった。ある日、友達と竹やぶで、かくれんぼをしていたら、いつの間にか誰もいなくなり、竹やぶの外れの地蔵石に出ていた。
そこに咲いているスミレを見ていると、地蔵石の裏に子ギツネがいるのが見えた。也子は、この不思議な子ギツネと仲良くなり、「こんど、また遊んでね」と約束を交わして別れた。そんな、穏やかな日々は、一発の爆弾によって突然奪われた…。
今年は、戦後80年の節目。本書は、2008年に発刊された「彼岸花はきつねのかんざし」の新版。著者は、被爆2世の作家で、本書は広島原爆を描いた最初の作品。(小学校中学年から)
(1760円 佼成出版社)
(Tel03・5385・2323)