次期学習指導要領では「意見表明権」明記を NPOらが提言
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不登校や外国ルーツの子どもを支援する団体や障害当事者団体などは1日、記者会見を開き、次期学習指導要領での多様性を包括する柔軟な教育課程の実現に向けた提言を発表した。子どもの意見表明権の重要性や、子どもに合わせて環境を整える「社会モデル」の考え方を明記するよう訴えた。
改訂に向けた中央教育審議会での議論の中で、「多様な子どもたちを包摂する柔軟な教育課程編成」に向けて学校として編成する教育課程の柔軟化と、個々の児童・生徒に合わせた特例の新設・拡充を組み合わせた2階建て構造の仕組みの構築が検討されている。
今回、教員の声を社会に届ける活動をしているスクールボイスプロジェクト、障害当事者団体のDPI日本会議、外国にルーツがある子どもを支援する子どもの夢応援ネットワーク、不登校支援を行う多様な学びプロジェクトの四つのNPO法人と、学生団体ミライエコールの計5団体が共同で提言をまとめた。中教審の方針に賛同した上で、その具体策を示した。
5団体は授業のスタイルや学び方に関して児童・生徒の意見を聞き、反映していくことを総則に盛り込むよう要望。併せてICT活用などを通じて障害のある子などが意見を言える環境整備が必要だとした。
また、障害のある子だけでなく全ての子どもたちを対象に、社会の仕組みを整える「社会モデル」の発想の下で、基礎的環境整備と合理的配慮の実施を総則に明記し、解説ではその具体例を掲載するよう求めた。各教科編でも、障害や、性的マイノリティ、外国ルーツ、貧困家庭、不登校の児童・生徒の存在を踏まえた合理的配慮の例を単元ごとに示すよう提案した。
会見でスクールボイスプロジェクトの武田緑さんは次期学習指導要領について、いじめや不登校などの厳しい状況に置かれている子どもの課題解決の推進力になるような内容にするよう注文を付けた。