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一刀両断 実践者の視点から【第700回】

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不祥事の報道

 夏休みが終わると新学期になる。その節目に不登校が増加する。合わせて教職員の不祥事ニュースが溢れ出る。最近は教職員の不祥事ニュースが連日のように報じられるが、以前は学期の初めにまとまっていた。逮捕案件も即時には出されなかった。しかし、SNSの進展で容赦なく報道されているように感じられる。
 不祥事の報道された学校はどんな状況になるか。記者が電信柱に隠れて待ち構え、児童にインタビューするケースもある。子どもは驚いて泣く場合がある。
 報道の自由を盾に子どもにたかる姿を想像して欲しい。子どもの目にその姿はどのように映るのかを配慮して、利益よりも人道から外れない取材でありたい。
 反面、不誠実な知事や市長や政治家などには厳しい追及をして欲しいが、その権限が強すぎて職務停止や辞職をさせられない制度の効力が無いことを痛感させられる。
 百条委員会や検察並びに警察も「慎重に」が先になる。「真摯に受け止める」を口癖とし、心無い丁寧な礼で誤魔化す首長の姿にその悪どさが重なる。
 首長もそのような職場や環境の中で逃げ方を学んできたと指摘する方が居た。上下関係が強い省庁や批判を利用して支援者を陽動する快感である。その中で身につけた悪質な対処法の方が正義よりも強い事が鮮明になっている。道義国、法治国家とは言い難い脆さが明らかに露呈している。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。千葉県教委任用室長、主席指導主事、大学教授、かしみんFM人生相談「幸せの玉手箱」パーソナリティなどを歴任。教育講演は年100回ほど。日本ギフテッド&タレンテッド教育協会理事。)

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