中学生の55人に1人が市販薬の乱用経験
NEWS 風邪薬などの市販薬を乱用した経験がある中学生は、1・8%(55人に1人)程度いると推計されることが、厚労省研究班の調査で分かった。中学生の間で市販薬乱用が全国的に広がっていることが示唆された。経験者の回答からは学校や家庭での孤立などが背景にあることが浮かび上がった。
調査は昨年、オンラインまたは質問紙で実施。124校(公立119校、私立5校)の3万7967人から有効回答を得た。
今回、過去1年以内に風邪薬や解熱鎮痛薬などを、治療目的でなくハイになったり、気分を変えたりするために意図的に過量服薬した経験を尋ねた。
その上で、回答の状況などを考慮して日本の中学生全体の値を推定すると、男子は1・5%、女子は2・0%、全体で1・8%に経験がありと推計。学年別の推計値は、1年生2・1%、2年生1・8%、3年生1・6%だった。
市販薬乱用経験者の生活状況なども調べた。「学校生活が全く楽しくない」「親しく遊べる友だちがいない」「親にほとんど相談しない」の割合は、経験がない生徒よりも多い傾向が見られた。
また、生きづらさを「かなり感じている」との回答について、乱用経験がない生徒では6・1%であったのに対し、経験者では21・1%と2割を超えていた。