支援学級設置校長協会の大会始まる、「心の余白」めぐり講演
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全国特別支援学級・通級指導教室設置学校長協会の全国研究協議会は21日から2日間の日程で広島市で始まった。初日の講演会では、「教室マルトリートメント」などの著者で、杉並区立済美養護学校主任教諭の川上康則さんが、教師が「心の余白」を生み出すための考え方などを解説した。
川上さんは、教育に関する仕事は肉体労働、頭脳労働と並ぶ「感情労働」であり、教員が正しいと思っている枠から教え子が外れたり、はみ出したりすることで、気持ちの余白は減っていくと指摘。余白を広げるために、2択で結論を出すことを避けることを提唱した。すぐに結果を求めるのでなく、「今のうちに何とかしておかないと将来困る」といった使命感から離れる対応を紹介した。
加えて、教員を対象とした研修機関はあるが、ケアを受けられる機関がないこと、教員もケアの対象に含まれるとの考えを述べた。一方、校長自身が、校内で教員に前向きな力をもたらす「エナジャイザー」であってほしいとの願い、また、校内でそうした存在となっている教員を大事にしてほしいとの思いも訴えた。